第10話 ダメって言われるとやりたくなるよね
「今日は一緒にお風呂入らない?♡♡」
「ん~。やめとく。」
「え、、?なんで、、?」
「普通に一人で入りたいのよ。」
「私、頭も背中流すよ?♡も、もちろん前も…。ヘヘヘマエイジッテヌキヌキ♡♡」
今日はどうしても一人で入りたいんだ。ねーちゃん、ごめんな。
「待て。」
「ワウッ♡♡」
完全に犬としての扱い。はしゃいでいる犬を鎮める殺し文句の”待て”を使えばこんなどMな姉なら止められるのではないかとかけてみたのだが、大穴当たりの大成功。何とか一人風呂を勝ち取ることに成功した。
ザアーーーっと体にあたる水が心地よい。ふぅ。もう、引き戻れない。何より引き戻るつもりもないのだ。水圧をかけられ凝縮された水が一気に解放されるかのように、家族という仕組みや一国の法律、古来から伝承されてきた近親相姦という禁忌、様々なものに抑圧されてきた僕の情欲が溢れ出る。普通の好きとは違うのだ。僕も姉も十数年本能的に抑えてきた愛、性欲がドロドロに溶かされて煮詰まりお互いに抑えが利かなくなっているのだ。この感情が悠久のものなのか、果たして刹那的なのか。たとえ一時的でもいい。人生で感じたことない程のこれほどの大きな感情飲まれてしまおう、もういっそ溺れて二人で深海まで堕ち込んでしまおう。
「ねーちゃん、お待たせ。」
「わふっ♡わふっ♡♡」
「ふっ。まあ、犬真似して従順でえらいな。」
「はぅ♡褒められると濡れちゃいますぅ♡♡」
「はやく入って来いよ。部屋で待ってるから。」
「お、お部屋ですか♡♡はいっ♡すぐあがります!!♡♡」
正座でしっかり待てと言われたところから一歩も動かないで待っていたようだ。人をまるで犬のように扱う快感。この後の姉との嬌事を想像すると先走り股下に血液が走る。
ワクワクと緊張なのか普段上っているはずの階段でつまずいてしまった。
部屋に戻り下の階から聞こえる水の音に今か今かと耳をそばだてる。シャワーの音が途切れる度にビクッと緊張感が走る。何度目の正直なのか分からないがついに水の音が止まり体を洗うにはあまりに長い暫くの間があった。とうとうか…。
「お待たせしました♡♡」
「うん、、。ねーちゃん、風呂あがりいいね。」
なんか褒めなきゃって思うと取り繕って変なことを言ってしまうな。
「弟君、なんか今日は雰囲気違うね♡♡」
「あのさ、ねーちゃんって彼氏とかいるの?」
「ん?いるわけないでしょ?♡♡」
「ねーちゃん、可愛いからなあ。何回も告白されてるだろうし。ずっと、僕だけを見てたなんてさ…。自信ないよ…。」
「は…?イライラさせやがって♡♡」
「え、、?」
ドンッっと無理矢理床に押し倒される。
「いった!!ねーちゃん待て!!まって!!」
「うるっさいなぁ♡♡こっちの気も知らないで!!ほんとにイラつくなぁ♡弟君への思いを何年ぐつぐつ煮立たせてるとおもってんだよ。もう、弟君に見られるだけでお股ぐっじゅぐじゅにさせられてさぁ♡話かけられたらむっらむらしてどうしようもないし♡♡くっそむらつくなぁ♡♡♡♡」
いきなり口を防がれてすんなりと舌を入れられる。僕ももう受け入れているのだろう。もう、気持ちよくさせてくれ。
「はぁ♡はぁ♡息できなくて、苦しいでしょ♡♡もっともっと吸わせて♡♡」
何度も何度も唇を奪われる。今までのためてきた思い確かめ、こんなに愛してたんだって示すように何度も何度もキスを繰り返す。
「もう、いいよね♡」
「え、え、、。」
「弟君もその気になってるんでしょ??♡♡いつもとぜんっぜん違うもん♡♡スマホの位置も変わってないし、触ってないんでしょ♡私のお風呂気掛かりだったんだよね♡」
何もかもわかられてるんだろうな。着眼点がかなりストーカー気質できもいなと思ったのはあるのだが。
「ほんとにいいの、、?」
「うん、弟君がいい♡ううん、弟君じゃなきゃダメなの♡♡もう、弟君に初めてあげれないなら人生で男の味知らなくていいもん♡♡」
「弟君こそ、私でいいの…?♡♡」
「そんな心配そうな顔しないでよ。おねーちゃんがいいな。」
「し、しあわせぇ♡」
ぽたぽたと頬に水滴が落ちる。
「ねーちゃん、大丈夫?」
「うん♡幸せすぎて涙出てきちゃった♡ごめんね、ごめんね。弟君の顔すっごい汚しちゃった…。あぁぁ、でも涙止まんないや♡♡」
涙を拭うこともせず一心不乱に僕の服を脱がせてくるが、どうもてこずってしまう。
「ごめんね♡涙で全然見えなくてさ♡」
「ちょっとまって。自分んで脱げるからさ…。」
するすると脱いでいく。何回も見られているはずなのに改めてみられると気恥ずかしい。
「素敵な体…♡♡本当に今まで純白だったんだね♡♡ありがとう♡」
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