第4話

放課後,俺は堂本からさらなる情報を聞き出すめに、堂本を連れて屋上のベンチに来ていた。ここは美化委員会のみ鍵を借りることが出来る。(俺はそこの書記だ)俺が鍵を閉めたから、今ここには誰も入ってこない。



「で、俺が組織に入ったとして、何の仕事をすることになるんだ?」

「えぇ、まだ決めてなかったの?てっきり返事が貰えるんだと思ってたのに…」

「悪いな、こう言うのには真剣になるタイプだ。で、答えは?」

「分かった、答えよう。端的に言えば、俺たちは君のその頭脳が欲しい。君が組織に入ったら、主に作戦立案と司令塔の役割を担うことになるだろうな。てか、君はもう俺たち組織の情報を聞いたんだから、断ったら死ぬまでうちの施設で保護されることになるよ?

うちは犯罪撲滅組織とは言っても、別に正義を掲げてる訳じゃないんだから。」

「はぁ?一択じゃねぇか!おまえ…わざと黙ってたな?それ」

「何のことだろうな。で、入るの?入らないの?」



流石に死ぬまで拘留は御免だ。それに、昨日堂本は俺に期待していないと言ったが、それでも誘ったのは少しは俺の力を認めていると言うことだろう。なら…

「受けてやるよ、俺はお前の組織に入って、日本の治安維持に貢献したい。」

「決まりだな。じゃあ来週の水曜の放課後、組織につれてく。面接があるんだよね」

まだ入れるか分からないのかよ…。だが幸い俺はコミュニケーションには自信がある。面接は乗り越えられそうだ。まぁ、普通の企業や施設と違って、面接で何か他の能力を測るのかも知れないが…なんにせよ、俺は最大限の力を出すだけだ。


下方に見えるグラウンドから、運動部の部員たちが撤収していくのをみて、俺たちは顔を見合わせた。「「帰るか。」」「真似すんなよ」俺が揶揄うように言う。「そっちこそ」堂本が言い返した。それから俺たちは同時に立ち上がって、俺が小走りで扉のところまで行って、鍵を差し込んで回し、扉を開こうとノブを回した。ん?おかしい、扉が開かない。「俺、鍵閉めたよな?」閉めた後に誰にも見られないよう、扉が開かないか確認したはずなんだが…「ああ、確かに閉めていたよ、俺もしっかりと見た。」どういうことだ。一回鍵を回し、それでしまったと言うことはその直前まで鍵は開いていた、ということだ。だれかが外部から鍵を開けたのか?だとしても、なんのために?そんなことを考えていると、堂本が面白そうに言った。「もう一度鍵を回して外に出ても良いんだけど、その前に、、君をテストしよう。誰が何をしたからこの扉は開いていた?制限時間は3分、さぁ、回答始め、だ。」

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