第4話 WORKING!!!
「それでは改めテ、一平チャンがウチを選んだ理由は?」
流暢に日本語を話すハピに一平の苦笑が漏れる。
「表の〝正社員候補募集〟のポスターに惹かれて募集させて頂きました。」
率直な、素直な感想が口から漏れ出ていた。その様子にハピもニコリと微笑み
「ウチは個人店で大手の買取販売店程 給料良くないヨー? ダイジョブ?」
「東京から地元に戻ってきたので、提示されている給料であれば生活できます。」
自然体な受け答えを一平はした。
「東京にいた時は役者をしていたんだっテ? すごいじゃんね♪」
履歴書に目をやりながらハピが尋ねる。
「売れない役者でしたよ。30なっても芽が出なかったので地元に帰って
就職活動を始めたんです。」
頭を掻きながら恥ずかしそうに答えた。
東京で役者での成功を夢見た20代。夢破れ地元に戻って就職活動を始めた30代。
かれこれ18社の面接に落ちている事……ハピは一つひとつにリアクションを
取りながら話を聞いていた。
そして、30分程の面接という形の世間話が終わると、
「残念だけド、正社員としての採用は無理カナ。」
一平は小さく肩を落としながらも、疲れた笑みで微笑んだ。
「けド、やる気があるならアルバイトから正社員を目指してみナイ?
ウチは3年以内に二号店出す予定だかラ、正社員になれる可能性は高いヨ!」
と、続けてハピが話しかけてきた。
「……本当に正社員になれますか?」
もちろんデス! ニコニコとハピが答える。
「ただし、やる気があればネ?」
と付け加えて手を差し出した。
一平は一瞬戸惑い…そしてハピの手を取った。
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