第2話 Symbolic 2
それじゃあ、MEPTの説明はこのくらいにしておいて。最後にちょっとだけ、私の身の上話でもさせてもらおうかな。
——勘づいているリスナーさんも多くいるから、この場を借りて公言しておくと。私、一善メシアは前世でもアイドル活動をしていました。活動はけっこう順調だったんだけどね。色々あって、文字通りの全身大火傷。世間を少しばかり騒がせたこともありました。
前世の私は偶像として
堅牢な偶像であるためには、堅牢な理念を持っていることが大事。
そうして私は、アイドル界から姿を消すことになった。
悔しかったよ。他でもない私自身、アイドルに人生を救われた身として。誰かを支えることのできる心強い偶像になることが、ずっと夢だったんだ。一度の失敗で諦められるほど、私のアイドルに対する憧れはヤワじゃない。どうにかリベンジしたいと思った。
だけど、もはや生身の身体は偶像として欠陥品。整形手術したから
それはそうとして、みんなは疑問に思うかもしれない。どうして私が宗教団体の元で活動を再開することに決めたのか。個人アイドルとか、もっと
Vライバーとして活動してみたいと思っていたところに、ちょうどユークロニアからのオファーが来たんだ。そして、この教団の持つ世界観に、私もそれなりの共感を覚えた。理想の偶像を追究するのに都合がいいとも感じた。
ここってさ、形だけではあるけど。
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