第2話 彼女と登校

ピンポーンとインターフォンが鳴った、現在の時刻は6時31分まだ朝早いのにいったい誰だろう。僕は急いでベットから出て玄関に走っていきドアを開けた。


「はい、どちら様ですか?」


そこに居たのは昨日訳あって僕の彼女になった制服姿の絵美さんの姿があった。


「おはようございます、勉さん」

「おはようございます、絵美さん、こんな朝早くからどうしたんですか?」


なぜ彼女が僕の家を知ってるのかというと、僕の住んでいるアパートと同じアパートに彼女も住んでいるかからだ、アパートは3階建てで4部屋ずつある、僕は2階の一番左の部屋で絵美さんは3階の一番右の部屋に住んでいる。それはそうと、こんな早くから一体なんの用だろう。


「今日一緒に登校したいなと思いまして」


ちょっと展開が早すぎるのでは?と思った、僕は別に一緒に登校しても問題もないが、学校の生徒に一緒に学年1美女の絵美さんと登校している所を見られたらちょっと厄介なことになるかもしれない。何故なら学校が始まってすぐに学年1美女の絵美さんとなんの変哲もない人見知りの僕が一緒に登校だぞ、普通に考えたらおかしい話だ。


「僕は一緒に登校するのは問題ないですが、学校の生徒に見られたら厄介なことになると思うのですが大丈夫ですかね?」

「大丈夫ですよ!」


この人はリスクがあることをちゃんと理解しているのだろうか、まあなるようになるか。


「とりあえずここで話すのもあれなので良ければ部屋に入ってください、適当に座って大丈夫ですよ」

「はい、お邪魔します」


僕の部屋に人を入れるのは親以外初めてだ、まあ最近一人暮らしを始めたばかりということもある。


僕のマンションは、1LDK。


風呂、トイレ、キッチン、寝室、リビングを完備している。自分的には結構いい部屋だと思っている。


「部屋、ちゃんと綺麗にされているんですね」

「掃除をするのは好きですので、部屋がきれいだと勉強にも集中できる気がするし」

「なるほど!」

「朝ご飯は食べましたか?僕はまだ食べてないので今から作ろうかなと思うのですが、もし食べてないなら絵美さんの分も作りましょうか?」

「私は食べてきたので大丈夫ですよ、気遣いありがとうございます」


僕はキッチンに行き目玉焼きとおにぎりを作ってリビングにあるテーブルに目玉焼きとおにぎりを置いて絵美さんが座っているソファーで隣に座って食べた。


10分くらいで朝ご飯を食べ終わった、現在時刻7時4分、まだ学校に向かうには早い時間だった。


「服、制服に着替えてきますね」

「分かりました」


制服に着替えたはいいが、まだ学校に向かう時間ではない、いつもというか昨日は7時40分に家を出発した。僕のアパートから学校まで歩いて30分程度でつく場所にある。学校が開く時間は8時10分だ。


とりあえずどうするか聞いてみるか。


「まだ学校に向かうには早い時間ですけどどうしましょうか?」

「では30分、いや、今から7時30まで勉強をするというのはどうでしょうか?」


なるほど、朝勉というやつか!


「良いですよ、そうしましょう」

「やったー!」


まあ僕は勉強を彼女に教えるという条件で付き合っているからな、教えるからには徹底的に教えてみせる!


「勉さん、ここの問題が分かりません!教えてください!」

「どれどれ、ここはこうしてこうやれば解けるぞ」

「なるほど!ありがとうございます!」


勉強を教えていたらあっという間の7時30分になった、時間が経つのが早いな。


「もう7時30分になったから勉強やめるか」

「もう7時30分ですか!?早いですね、では止めましょうか」

「少し休憩してから学校に向かうか」

「そうしましょう!」


5分ほど休憩したあと、忘れ物がないか確認した。


「忘れ物はないですか?」

「大丈夫だと思う」

「じゃあ大丈夫ということにして、早速学校向かいましょうか!」


僕は玄関のカギを閉めて、もう一度忘れ物がないか確認して学校に向けて歩く。


天気は快晴で風がヒューヒューと吹いていた。


僕は思った、特に何も話すことがないなと、何も喋らないというのも変だし、どうしようかな。


「勉さんは好きな食べ物は何ですか?ちなみに私はカレーが好きです!」

「僕の好きな食べ物はラーメンですね!」

「ラーメンもおいしいですよね!たまに食べたくなる時があります」

「めちゃくちゃわかります!」


と、こんな話をしていたらあっという間に学校の近くまで来てしまった。生徒の姿も結構見える。


「そろそろ学校ですね」

「そうですね」

「やっぱり私と勉さんが一緒に歩いていると変なんですかね?」


いやいや、どう考えたって変に決まってる。


「めちゃくちゃ変だと思いますよ?だって僕と絵美さんが一緒に歩いてるんですよ?変でしょう」

「私は別に何も思いませんけどね!!」


心の中でなんでやねん!と叫んだ。

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