第130話 ルーキー女子との過ごし方


この前、リゲルさんと蓮さんがコラボ動画を出した。

その内容というのが、俺が言った筋肉と豆知識の混合したというものであった。

俺も少しだけ見てみたのだが……これが意外にも好評。視聴者の心を掴んだのか、その日の配信はいつもよりも盛り上がった。


また、次の配信でも彼らにピッタリなゲームがあるらしく楽しみだという声が大きくなっている。


「そういうことだから、私達にも君にアイデアを貰いたくてね」


「……いや、あれに関してはミゲルさんと蓮さんがばk……思いつかなかっただけですよ」


普通なら思いつかないよ。そんなバズりそうなものって。


「ですが、エイジさんであれば面白そうなものを思いつきそうですけどねぇ」


「過大評価しないでください。しがない一般人ですよ?……紗耶香からも何か言ってくれ」


「……わ、私はエイジさんの企画だったらなんでもやりたいです……!」


えぇ……そんな目をキラキラさせてこちらを見ないでくれ。胃がキリキリしてしまう。

現在俺は、あの二人のせいなのか知らないが今はカレンさんと咲凜さん、紗耶香に呼ばれ、現在この前と同じような状況になっている。

つまり……なにか面白そうな企画ありませんかということ。


「男どもには話して私達には何もしてくれないのかい?ひどい人だね〜紗耶香、こんな奴の近くに寄るんじゃないよ。きっと彼の悪い癖が伝染る」


「私は別にそれでも……って、言わせるな!というかなにさり気なく私の太もも触ってんだ!?離れろ〜!」


「あんっ。そんなこと言わないでくれ紗耶香〜」


……俺は一体なにを見せられてるんだ?カレンさんが紗耶香にべったりくっついていおり、頭の中で百合を思い浮かんでしまった。


「……いいんじゃないか紗耶香?カレンさんとイチャイチャ配信出したら面白そうじゃないか?」


「ちょ、ちょっとエイジさん!?流石にそれは」

「よく言ったよエイジ!君にしては冴えてるじゃないか!さぁ紗耶香!彼の許可は得たんだ!私と一緒に愛の時間を過ごそうではないか!」


「うわぁ!?ちょっとどこ触ってんのよ!?あぁもう!なんで変なやつに好かれるのよ〜!!」


俺の言葉でさらにスキンシップが加速していたのか、紗耶香がどんどん為す術なくカレンさんに弄ばれていく。それを咲凛さんとともに見守っていると、くすっと隣で彼女が面白そうに笑っている。


「エイジさんって凄いですねぇ」


「……何がですか?」


「ふふっ。知ってます〜?二人とも、とてもピリピリしてたんですよぉ?」


「いや今もじゃないですか?それ」


「マシになった方なんですよぉ?凄く前にカレンちゃん、紗耶香ちゃんと会ったらしいんですけど、拒絶されたらしいですよぉ。あれとは比にならないくらいに」


そう言いながら、今もガヤガヤワァワァ騒いでいる二人を眺める。


「紗耶香ちゃんの態度が緩和になってくれて、カレンちゃん仲良くできて嬉しいんですって。きっと貴方のお陰なんでしょう?だからあの子、普段は貴方に酷い態度取っていますが感謝していると思いますよぉ?少なくとも私は感謝してます♪」


……あれで感謝しているのか?

少し驚愕しながらも、俺は隣で嬉しそうに二人のことを見ている咲凜さんを見る。


「……咲凜さんは二人の和に入らないんですか?」


「?私、ですか??」


少しだけ目を見開くが、その後すぐにいつも通りに笑う。


「私はいいですよ〜。邪魔もしたくありませんし、それに似合わないですよぉ?魔性の女って呼ばれてるんですからぁ」


「……それって関係ありますかね?」


誰だって一緒に楽しくお話ししたり、はしゃぎたいものだ。もちろん、その人によるけど。


「それに配信で、咲凜さん含めて3人のイチャイチャとか見せてもいいかもしれませんね。いつも魔性の女と呼ばれてる人が可愛らしい姿を見せたらギャップ萌えするかもしれませんよ?」


「………」


「……ん?あれ?」


……頼むからそんなじっと俺のことを見ないで欲しい。なんか滑ったみたいで悲しくなってしまうから。


「……変なこと言うんですねぇ」


「えっ?」


そう言うと、ふふっとおかしそうに笑って笑みを浮かべている。


「私、これでも多くの人と関わってきたのですが、そんなこと言われたのは初めてです」


「そうですか?俺は咲凜さんのことをよく知りませんから言えたかもしれませんが」


「そうなんですか?でも」


咲凜さんが俺の唇に人差し指を当て、こちらにウインクして伝える。


「知らないからこそ、嬉しいものだってあるんですよ?」


「………」


「……気に入りました。紗耶香ちゃんが貴方を好きな理由が分かった気がします」


そう言って俺から離れて二人の所に向かうところで再びこちらに振り向く。


「そんなエイジさんに私の不思議を一つ教えてあげます」


「秘密?」


「私……実は21歳なんですよ?」


「……え?」


「だから貴方の前だったら、ほんの少しだけ甘えてみてもいいかもしれません。ふふっ」


最後に妖艶と可愛らしさが混ざった笑みを浮かべてから、咲凜さんは二人の所に向かっていった。

彼女が入ったことで、さらに騒がしい状態に……そんな中俺は思ってしまった。



(……咲凜さん、もっと歳いってるかと思った)


少なくとも俺よりも……そんなことを思いながら、俺は彼女達の姿を見守るのであった。





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《全てを失う悲劇の悪役による未来改変》


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