第28話 対決!KANNAvsYUSUKE


紗耶香ちゃんのホラゲーから数週間が経った。その結果、凛明とも負けず劣らずの勢いでそれはネットに広がり....ついには『天晴あおいのホラゲー』という名前でトレンドにも乗った。


二人とも、この配信をして一気に世界中に名前を知られるようになった....まぁ、紗耶香ちゃんは結構複雑そうにしてスマホを見ていた。これのどこがいいんですか...と少し愚痴を吐いてたりしたほどだ。


「...ということでエイジさん。私達も二人に負けないようにこのゲームをやりましょう!」


そう言って栞菜さんがあるゲームを見せてきた。そろそろ相手にしないと不満が爆発するんじゃないかと思い、彼女を誘ってみたが...凄い嬉しそうにしてたね。今までにないくらい顔が輝いていたよ。


「これって....結構前に流行ってた格闘ゲームですか?」


「はい。エイジさんこれやってましたよね?昔の動画で見ました」


そう、某昇竜拳やら波動拳が使うあのキャラと関連する格闘ゲームだ。キャラを選び様々なコマンドを入力しれ相手を倒すシンプルなもの、しかし、その頃には考えられない業火な演出が見られるため、当時はとても流行っていた。


「今日の配信では、私とエイジさんが戦っていきたいと思います」


「えっ、栞菜さんとですか?」


えぇ...流石にプロゲームの実力とやるのは....あ、いやでもこれならワンチャンあるか?


「....分かりました。その挑戦、受けて立ちます」


「ふふっ、いい覚悟です。久しぶりに楽しめそうですね」


普段はしないまるでよくアニメで見る戦闘狂のような笑みを浮かべていた栞菜さんの姿を見た俺は本能で理解した。

あっこれ、押しちゃいけないスイッチ入れたな.....と。




「...あ、やっぱりYUSUKEはそのキャラにするんだ」


「えぇ、なんだかんだスタンダードなキャラが使いやすいですから....そういうKANNAは....重量級のキャラ?」


「ふふっ重量級のキャラはいいよ?一つ一つの攻撃は大きい、攻撃範囲が広い、コンボにはめやすい!まさに格闘ゲーの真骨頂なの!」


「KANNAって意外と脳筋だったんだな....」


栞菜さんの意外なこだわりを感じつつ、お互い準備が出来た所で....戦いが始まった。


そこからは正直白熱しすぎて覚えてないが、後に動画にコメントしてくれた人からすると...どうやら、KANNAについていけるYUSUKEの実力が半端なかったらしい。


「あ、コンボ決まった」


「えっ嘘!?あぁ....どんどんHPが減っててく...」


「KANNAの重量級のキャラの力はこんなものなの?」


「くっ....言ってくれますね....ですが勝負は始まったばかりですよ!」


まさかの栞菜さんに初戦を勝ち取って少しだけ煽ったり....。


「え、ちょっ、か、KANNA?何そのステップ……」


「ふふっ、これも一つの戦略だよ?ほれほれ!いつ攻撃がくるか分からないですよね〜?」


「くっ、こんなステップに紛らわせたって無駄ですよ!」


意味不明なステップをしている栞菜さんのキャラに攻撃を仕掛ける…が。


「かかったね!」


「えっ!?ちょっうそ!?」


タイミングがいいのか悪いのか、ちょうどいい所でつかみ技をお見舞いされ、そしてそのままコンボのループを喰らい、呆気なくKOされる。


「ふふん、どうよ!これが重量級の力よ!」


「……なんか、負けてはいけないものに負けた気分です」


そんなこんなで、栞菜さんことKANNAとのゲームを楽しんでいった。





「……だいぶ伸びたな」


俺と栞菜さんの格闘ゲーを投稿して数週間が経ち、俺は三人のそれぞれの動画のアカウントを見ていた。


彼女の自作の曲、ブルーマリンとその歌声により、バズりにバズっている凛明。


元々人気だったものがホラゲー配信によりさらに凄まじいファンと人気を獲得した紗耶香ちゃん。


古株のトップクラスのプロゲーマーも俺との白熱した戦いを繰り広げられたことにより、さらに注目されるようになった栞菜さん。


「……栞菜さんの動画が原因か、俺の存在も少し話題になってなかったか?」


あのプロゲーマーと渡り合える実力を持つ彼女の友達として、これまた変なところで注目を浴びせられるようになった俺……配信なんてしてないんだけどなぁ。


「なんか凄いなぁ……こうやって見ると」


凛明の時も思ったが……やはりここにいる人たちは超人しかいない。


それも、栞菜さんと紗耶香ちゃんに関しては俺のファン……一体なぜこうなった?


そんなこんなで色々と見ていると……突如、スマホがぶーんとなってから震えた。


(?誰かから連絡がきたんだろうか?)


不思議に思い、スマホを見てみて……つい懐かしい名前を見て一瞬目を見開いてしまう。


「……結奈ちゃん?」


そこには『先輩、もし今時間があったらお会い出来ますか?』という昔の後輩からのメールが来ていた。







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また、こちらの作品の方も見てくださると嬉しいです。


《全てを失う悲劇の悪役による未来改変》


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