第21話 天晴あおいの破茶滅茶な生配信


「いぇーい!みんな!!今日も見てる〜?快晴の空とともに現れた期待の新人Vチューバーのぉ……天晴あおいで〜す!!こんぱれ、こんぱれ〜!」


:こんぱれ〜!


:こんぱれ〜!


:こんぱれ〜!


:こんぱれ〜!


天晴あおいの特有の挨拶とともに配信が開始された。現在俺はそんな新世代ルーキーの配信を隣で視聴……と言っていいか分からないけどしている。


(か、栞菜さんの時も凄かったけどこっちも凄いな……同時接続の人数3万……新人なんて思えないなこりゃ)


「ねぇみんな、今日うちね?今日は凄くすごぉ〜く気分がいいんだ〜!」


:うっきうきで草


:何かあったんか?


:かわいいww


俺がいつもの如くそのコメント欄の嵐、視聴者数に驚いている間も紗耶香ちゃん……あおいは話し続ける。


「配信前からずっと話してたことなんだけどね、みんなエイジさんって人知ってるでしょう?」


:出た、エイジだ。


:また惚気話でも始まるんか?


:信仰心の塊ww


:気になる〜エイジの話。


「まぁまぁみんな落ち着きなよ。って言ってもうちが一番落ち着いてないかもだけど」


にししっと天晴あおいとしての笑いを見せてくれる。生で見るとこんな感じなんだなぁ……とか思っていると。


「今日の配信……実は、エイジさんが来てるんです!!」


………え?


:なに!?


:ついにご本人登場か……。


:きちゃあああ!!


:まじか!?


「そうそう、これがほんとにマジなのよ?びっくりだよね?うちもほんっっっとにびっくりしてる!!」


あれ?これってもしかして……俺が目線でそう訴えかけると、紗耶香ちゃんはにししっと笑っている。



「本人にも許可を貰っていることですし....ということで早速出てもらいましょう!!エイジさ〜ん!!」


そんな呼びかけとともにコメントも盛り上がりを見せている。


(エイジさん....お願いします)


.....これ、どうやらちゃんと出ないとだめらしいね。なんか栞菜さんの動画に出たことが影響しているのか、もう出てもいいかなって思っている辺り、俺も意外とやばいかもしれないけど....。


「....えっと....こんばんわみなさん....」


どういすれば良かったのか分からず、平凡な挨拶をしてしまった。


:エイジだ!


:めちゃ緊張してるww


:あおいの憧れの人!!


:エイジって男か?


でもどうやらよかったらしい。それだけでコメントも更に盛り上がり....なにより紗耶香ちゃんの表情がこれでもかってくらい明るくなってるし....。


「きゃあああああああ!!エイジさぁあああああん!!!!」


:!?


:あおい!?


:やばいあおいが壊れたw


:限界ヲタク化あおいww


....えっと、とりあえず紗耶香ちゃんが凄いことになっているのが分かった。


「す、すみません俺なんかがあおいさんの配信に出てしまって」


「な、ななななんであやまるんですか!?そ、そそそそんな事ありませんよ!!え、ええええエイジさんに出ていただくなんて光栄です!!!」


:落ち着けw


:エイジ困惑してるやんw


:こんなあおい初めてみたww


:すげぇ....


「と、とりあえず落ちついてください?」


「は、はははははい!?.....すぅ....はぁ....」


とにかく一度落ち着かせるために、紗耶香ちゃんに深呼吸させた。


「....ふぅ。お、落ち着きました。ありがとうございますエイジさん」


「いえ、それはいいですけど....コメントが凄いことになってるよ」


「えっ?」


:草


:草


:草


:こんなあおいちゃん初めて見たww


:速報、天晴あおい、推しを目の前に発狂。本人もその様子に思わず困惑ww


「な、ななななんじゃこりゃ!?」


とりあえずいい意味で炎上していた。


「み、みんな?うちは別に発狂なんてしてないし?そ、そんなエイジさんの前で....前で....」


「??」


「.....やっぱりカッコよすぎるよぉおおおおお!!!!」


:だめだこりゃ....


:これ、映していいんか?


:ヲタク化あおい可愛いww


う、うーん....これは大丈夫なのか?


「えっと....とりあえずあおいさんがこんな様子ですので、俺が進めていきたいと思います」


:代わりに配信してて草


:おいあおいww


:あおい、俺、恥


「ふ、ふにゅう....な、何もいえないよぉ....」


顔を真っ赤にさせている紗耶香ちゃんの様子を見ながら、彼女が落ち着くまで俺が代りに配信していった。


といっても、俺への質問コーナーみたいな感じだったから、特に変わったことはなかった....あ、いや嘘。意外とコメントが盛り上がったし、紗耶香ちゃんもはしゃいでたわ。





「そ、それじゃあみんな....おつぱれ.....」


疲れと満足感が籠もった声で無事...とは言えないけど、天晴あおいの生配信は終了した。


「....はぁ、つ、疲れました」


「お疲れ様紗耶香ちゃん....とりあえず凄かったね」


「ち、違うんです!?普段はもっと面白い配信なんです!うぅ...やっぱり緊張しちゃった....これ絶対切り抜きでだされるよぉ...」


顔を押さえてそんな言葉が漏れ出す。俺的には普通に楽しかったんだけどね。


「....ごめんなさいエイジさん。急に配信に出したり、何も出来ずにいて...迷惑でしたよね?」


紗耶香ちゃんの表情が暗くなる。やっぱり今日の配信は思うところがあったんだな。


俺も驚きはしたけど....それ以上に。


「まぁ突然配信に出されて驚きはしたけど、思った以上に楽しかったよ。寧ろお礼したいくらいだよ。配信に出させてくれてありがとう紗耶香ちゃん」


「え、エイジさん....」


「...ただ、あの様子が続くんだったらしばらくは出ないほうがいいかな?」


「つ、次から大丈夫です!!絶対...ぜっったいに次はいい配信にしてみせます....!だから!」


先ほどとは真逆の様子.....笑顔を浮かべていた。


「次も是非、私の配信に出てください、エイジさん!!」


「....うん。そのときを楽しみにしてるよ」


こうして、波乱万丈の天晴あおいの配信は無事?終了したのであった。




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また、こちらの作品の方も見てくださると嬉しいです。


《全てを失う悲劇の悪役による未来改変》


https://kakuyomu.jp/works/16818093076995994125

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