第11話

時は、10月19日の午前9時半頃であった。


またところ変わって、日進市浅田町にある一戸建ての家にて…


この日、信孝のぶたかはリースバック会社のお仕事をしていた。


家の周りに数人の鑑定士さんたちがいた。


信孝のぶたかは、お客様と一緒に査定の様子を見守っていた。


時は、正午過ぎであった。


(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…)


ところ変わって、信包のぶかねが勤務しているリサイクル工場にて…


構内にひるやすみを知らせるサイレンが鳴り響いた。


作業着姿の信包のぶかねが外へ出ようとした時であった。


大きなバスケットを持っている里英りえがまた信包のぶかねのもとにやって来た。


信包のぶかね〜♪」

「なんだよ!!」

「一緒にごはんを食べよ♪」

「オレはひとりで食べたいのだよ〜」

「よくないわよ…午後からお仕事がたくさんあるのでしょ…一緒にごはんを食べよ♪」

「おい!!」


里英りえは、信包のぶかねの右手をゴーインにひっぱりながら中へ入った。


この時であった。


お仕事を終えた信孝のぶたかが工場の付近を通りかかった。


里英りえ信包のぶかねをゴーインにひっぱって行く様子を見た信孝のぶたかは、思い切りブチ切れた。


またところ変わって、工場の構内にある藤だなにて…


里英りえは、テーブルの上にお弁当をならべたあとうれしい声で言うた。


信包のぶかね〜」

「なんだよ!!」

「今度の日曜日は、予定をあけてね♪」

「なんで予定をあけるのだよ〜」

「その日は、ワシントンホテルへ行くのよ♪」

「ワシントンホテルへなにしに行くのだよ!!」

「ブライダルフェアへ行くのよ♪」

「ブライダルフェアだと!!」

「そうよ♪」

「なんでブライダルフェアへ行くのだよ!?」

「なんでって、信包のぶかねとアタシはサイコンするのよ♪」

「聞いてねえよ!!」

「もう決まったのよ♪」

里英りえ!!」

「アタシはダンナが大キライだからリコンしたのよ♪」

「それじゃあ、お前はオレが好きだからサイコンするのか!?」

「そうよ…好きとケッコンは一緒よ♪」

里英りえ!!」


里英りえは、信包のぶかねに対して指切りげんまんを求めた。


信包のぶかね〜…はい、指切りげんまん♪」


里英りえは、信包のぶかねに対してゴーインに指切りげんまんをしたあと『ごはんを食べよ…』と言うた。


その後、ふたりはお弁当を食べ始めた。


またところ変わって、有松のイオンタウン内にある大垣共立銀行の支店にて…


支店のオフィスに里英りえの夫・きよしがいた。


きよしのデスクの上に書類が大量に積まれていた。


きよしは、ひどくいらついた表情で仕事をしていた。


そこへ、ランチ休みをしていた女性従業員さんがオフィスに戻って来た。


女性従業員さんは、困った声できよしに言うた。


「今江さん。」

「なんやねん〜」

「セールスマン風の男の人がものすごく怒った表情で今江さんに会いに来たようです。」

「今仕事中や〜」

「今江さん!!」

「分かったよ〜」


きよしは、ものすごく困った声で言うたあと応接間へ行った。


それから数秒後にあらたがオフィスに戻って来た。


あらたは、困った声で言うた。


「ただいま。」

「おかえりなさい〜」

「だれが来ているの?」

「ええ、立浪たつなみさまと言うてましたが…」

「立浪課長のご子息が来てるって?」

「せや…今江さんは、なんぞ悪いことしたの?」

「さあ…」


めんどくさい表情を浮かべているあらたは、デスクに戻ったあとデスクワークを再開した。


ところ変わって、応接間にて…


応接間に信孝のぶたかきよしがいた。


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、よりしれつな怒りをこめながらきよしを攻撃した。


「おいコラ!!」

「なんですか急に〜」

「オドレは今江里英いまえりえのダンナだろ!!」

「そうですけど…」

「おい!!オドレの嫁がうちのきょうだいに色目を使ったようだな!!どうするつもりだ!!」

「すみません…妻は…私がキライだから…」

「嫁はオドレが大キライだからリコンしたのか!?」

「はい…」

離婚届ショメンは出したのか!?」

「まだです〜」

「ほんなら出せ!!」

「出します…」


きよしは、信孝のぶたかの怒りをしずめるために離婚届ショメンを出した。


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、離婚届ショメンを受け取ったあときよしに言うた。


「まだ大丈夫か!?」

「はい…」

「リコンを突きつけられたあとショメイナツインした…オドレはどうなんだ!?」

「はい?」

「嫁とリコンする気はあるのか!?」

「ありません〜」

「よし分かった!!」


このあと、信孝のぶたか離婚届ショメンをズタズタに破った。


その後、怒った声できよしに言うた。


「これで解決した…今度、うちのきょうだいに色目を使ったら考えがあるから覚悟しておけ!!」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、きよしに対してボロクソに言うたあと応接間から出て行った。


信孝のぶたかに凄まれたきよしは、ビービービービーと泣いた。


そこへ、女性従業員さんがやって来た。


「ちょっと今江さん!!きょう中に片付けなきゃいけないアンケンがたくさんあるのよ!!はよ戻ってや!!」


(バーン!!)


思い切りブチ切れた女性従業員さんは、応接間のドアをバーンとしめたあとデスクに戻った。


信孝のぶたかからズタズタに言われたきよしは、ビービー泣きながら『チクショー!!』と叫び声をあげた。


時は、夜7時40分頃であった。


ところ変わって、半兵衛はんべえの家族たちが暮らしている家の食卓にて…


食卓のテーブルに、信孝のぶたか真央まおのふたりがいた。


テーブルの上に、真央まおが作った料理がならんでいた。


居間のテレビの画面に中京テレビが映っていた。


この時間は『突撃ファイル…』が放送されていた。


信孝のぶたかは、ものすごくいらついた表情を浮かべていた。


遅い…


信包のぶかねはなにをしているのだ…


この時であった。


信包のぶかねがつかれた表情で帰宅した。


信孝のぶたかは、ものすごく怒った声で言うた。


信包のぶかね!!」

「なんだよにいさん〜」

「こんな遅い時間までどこにいた!?」

「オレは今、帰って来たところだよ〜」

「その時間まで今江の嫁のところにいたのか!?」

信孝のぶたかさん!!やめてください!!」

「だまれ!!」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、のみかけのサントリータコハイプレーンサワーの500ミリリットル缶を手にしたあと、一気にごくごくとのみほした。


その後、怒った表情で真央まおに言うた。


「おい…(テレビを)消せ!!」

信孝のぶたかさん…」

「(テレビを)消せ!!」

「アタシは、『突撃ファイル…』をみてるのよ!!」

「やかましい!!」


(ガシャーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、ニポポ人形を手にしたあとキッチンにあるガラスだなへ投げつけた。


ガラスにニポポ人形がぶつかったはずみでガラスがこなごなに割れた。


こわい…


おびえた表情を浮かべている真央まおは、大急ぎでテレビの電源を切った。


それから20秒後であった。


信孝のぶたかは、怒った声で信包のぶかねに言うた。


「すわれ!!」

「なんだよ~」

「すわれと言うたらすわれ!!」

「やめてください!!」

「なんやオドレ!!」

「おだやかに話し合いをしてください!!…ギャー!!」


(ガシャーン!!ガシャーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、近くにあったかたいもの2個をキッチンのガラス戸に投げつけた。


ガラス戸の中に入っていたガラス食器がこなごなに壊れた。


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、信包のぶかねに対して『すわれ!!』と怒鳴りつけた。


信包のぶかねは、怒った声で『すわりゃいいのだろ!!』と言うたあとイスに座った。


信孝のぶたかは、ものすごく怒った声で信包のぶかねに言うた。


「オラ!!」

「なんだよにいさん!!」

「オドレはふざけているのか!?」

「なに怒ってるのだよ!?」

「オドレはいつ頃から今江の人妻よめと合うようになった!?」

里英りえが勝手に来ただけだ!!」

「ウソつくな!!」

「やめてください!!」


真央まおは、信孝のぶたかに対して『やめて!!』と言うて止めた。


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、近くにあったパターを近くに置かれていたかびんに投げつけた。


(ガチャーン!!)


パターがかびんに直撃したので、かびんがこなごなに壊れた。


信孝のぶたかは、よりしれつな怒りをこめながら言うた。


「オレは気に入らない…オレは気に入らないのだよ!!」

「だからなにが気に入らないのですか!?」

今江里英あのボロおんなが気に入らないのだよ!!今江里英あのボロおんな信包のぶかねとどう言うカンケーがあるのだ!?」

「里英さんと信包のぶかねさんは、幼稚園のときからの幼なじみです!!」

「幼なじみだからなんだと言うのだ!!」


(ドスーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、よりしれつな怒りをこめながら言うた。


「幼なじみ同士だからなんだと言うのだ!?…幼なじみ同士だから好きだと言いたいのか!?」

「ちがいますよ!!」

「それじゃあ、なんなのだ!?」

信包のぶかねさんと里英さんはお友だちの関係ですよ!!」

「ふざけるな!!オレは気に入らない!!…不公平だ!!…不公平だ!!…信包のぶかねは女の子と一緒にお弁当を食べてもいいがオレはだめだと言うのか!?」

「そんなことは言うてません!!」

「ふざけるな!!」


(ドスーン!!ドスーン!!ドスーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、右手に作ったこぶしでテーブルを激しく殴りつけたあとこう言うた。


「オレは小さい時から友人がいなかった!!…オレは勉強だけしていた…大学に行っても勉強一本だけに集中したから…サークル活動もゴーコンも…しなかった…サークル活動やゴーコンなんか大キライだからしなかった…楽しいことを全部ガマンしたオレの気持ちをふみにじったから許さない!!」

「にいさん!!あんまりだよ!!」

「ふざけるな!!」

「オレと里英りえが仲良くしているのが気に入らないのかよ!!」

「ああ!!気に入らない!!オレに花嫁さんが来ない原因を作ったのはオドレだ!!」

「言いがかりをつけるのかよ!!」

「言いがかりをつけたのはオドレだ!!」

「やめてください!!」

「止めるな!!」

「おだやかに話し合いをしてください!!」

「だまれ!!」

「なんだよにいさん!!」

「なんやオドレ!!やっつけてやる!!」

「にいさんなんかうざいのだよ!!」

「やめて!!」


このあと、信孝のぶたか信包のぶかねがドカバキの大ゲンカをくり広げた。


「オドレばかり不公平だ!!」

「うざいのだよあんたは!!」


ドカバキの大ゲンカは、約4〜5時間に渡ってつづいた。


(ブロロロロロロロロ…)


次の日の朝10時過ぎであった。


家の前にジャンボタクシーが停まった。


ジャンボタクシーの中から半兵衛はんべえ真央まお絹代きぬよ半兵衛はんべえの妹・前田ちえみが降りた。


真央まおとちえみは、絹代きぬよのカイジョをしながら玄関に向かった。


この日、絹代きぬよが入院先の病院を退院した。


絹代きぬよの身体は、まだ回復していなかった。


前の日に絹代きぬよが使っていた病室が急を要する患者さんが使うことになったので、複数人の患者さんがいる病室に移された。


絹代きぬよは、それが気に入らないので退院を申し出た。


そしてこの日、絹代きぬよは退院した。


退院した絹代きぬよは、治療をダンネンすることを決めた。


ところ変わって、広間にて…


広間のテーブルにあるイスに半兵衛はんべえ絹代きぬよとちえみが座った。


真央まおは、お茶をいれる準備に入った。


これはどう言うことだ…


半兵衛はんべえは、荒れた状態になった部屋をながめながらつぶやいた。


ちえみは、ものすごく困った声で言うた。


「兄さん。」

「なんだよ~」

「ゆうべ、なにがあったの?」


お茶をいれる準備をしている真央まおは、つらい声で言うた。


信孝のぶたかさんと信包のぶかねさんが大ゲンカを起こしました…原因は、信包のぶかねさんが今江よその人妻さんとミッカイしていたことが原因です。」


絹代きぬよは、おどろいた声で言うた。


今江よその人妻って…」

信包のぶかねさんの幼なじみですよ!!」

真央まおさん…」

信孝のぶたかさんは、信包のぶかねさんばかり不公平だと言ってました!!」

「ちょっとそれどう言うこと?」


ちえみの問いに対して、真央まおは怒った声で言うた。


信孝のぶたかさんは、信包のぶかねさんと里英りえさんが仲良くしているのが気に入らないのですよ!!」

「ちょっと兄さん!!」

「なんだよ~」

信孝のぶたか信包のぶかねは、お嫁さんはいないの!?」

「いないよ~」

「どうしていないのよ!?」

「今は身の丈に合った相手おあいてがいないだけだよ…熱田(神宮)の神さまが選んでくれるから…それまで待てと…」

「兄さん!!」

「なんだよ~」

「兄さんと義姉ねえさんは、信孝のぶたか信包のぶかねの結婚問題に向き合わずになにしていたのよ!?」

「向き合っていたよ…だけど、信孝のぶたか信包のぶかねが向こうとしなかったのだよ…」

「人のせいにしないでよ!!」


(ガーン!!)


思い切りブチ切れたちえみは、近くにあった小皿を半兵衛はんべえに投げつけたあと怒った声で半兵衛はんべえを攻撃した。


「兄さん!!」

「なんだよ~」

信孝のぶたか信包のぶかねにお嫁さんが来なくなった原因を作ったのは全部にいさんにあるのよ!!いつだったかおぼえてないけど、信包のぶかね里英りえちゃんが仲良くしているところを見た時に、信包のぶかねに暴力をふるった!!」

「あれは男の子は男の子らしくしろと言うただけだ!!」

「やかましいポンコツ!!」

「やめてください!!」

「止めないで!!にいさんは悪いことをしたと思ってないのよ!!信孝のぶたか信包のぶかねにひどいことをしたのにひとこともわびないドサイテー兄よ!!」

「なんだと!!」

「うるさいわね!!」

「やめてください!!」


思い切りブチ切れたちえみは、半兵衛はんべえに殴りかかった。


真央まおは、必死になって半兵衛はんべえとちえみを止めたが大ゲンカがひどくなった。


この時であった。


(ドサッ!!)


イスから立ち上がった絹代きぬよがとつぜん倒れたあと呼吸が止まった。


「ああ!!おばさま!!おばさま!!」


真央まおは、大急ぎで絹代きぬよのもとに行った。


絹代きぬよは、心臓発作を起こして倒れたあとそのまま亡くなった。


絹代きぬよ!!絹代きぬよ!!」


半兵衛はんべえは、泣き叫ぶ声で絹代きぬよを呼んだ。


しかし、絹代きぬよはめざめなかった。


半兵衛はんべえは、より激しい声で泣き叫んだ。



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