第9話

時は、10月15日の午前11時過ぎであった。


またところ変わって、名古屋市南区にある新築の家にて…


新築の家は、あらたの家族たちが移り住む予定であったがやくざの男たち30人が押しかけて来たので住めなくなった。


(ドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスンドスン!!)


やくざの男たちが右足でドアをけとばしながら怒鳴り声を上げていた。


「オドレクソガキャ!!」

「出てこいや!!」

「オドレクソガキャ!!ぶっ殺すぞ!!」

「金返せ!!」

「ドロボー!!」


この時、竹宮が家にやって来た。


「どないなってんねん?」

京田新あのクソガキは、逃げたようです!!」

「ああ分かった…」


(カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ…)


このあと、竹宮はハリガネを使ってカイジョウした。


(ペタ…)


その後、玄関のドアにダイモン入りの事務所のカンバンを貼りつけた。


(ガチャ…)


その後、竹宮は玄関のドアをあけた。


「おうお前ら、きょうからここは田嶋うちのものだ…おめーら、出入りしてもいいぞ。」

「へえおおきに。」

「ありがとうごぜえやす。」


このあと、やくざの男たちが次々と新築の家に上がり込んだ。


竹宮は、ニヤニヤした表情で変わり果てた新築の家を見つめながらつぶやいた。


あわれよのぉ〜…


頭の悪い京田新クソガキに新築の家なんかねこにコバンや…


今夜は…


京田新クソガキのなげきの表情つらを想像しながら酒のみまひょか…


ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…


時は、午後3時半頃であった。


またところ変わって、前浜通りにある大型病院にて…


絹代きぬよが入院している病室に絹代きぬよとまりよがいた。


まりよは、白のTシャツとうすいブルーのデニムパンツの上からパステルピンクの花がらのエプロンを着けていた。


まりよは、新しいお花が入っているかびんを台の上に置いたあとやさしい声で絹代きぬよに言うた。


「お花ができたよ。」

「ありがとう…」


絹代きぬよは、つらい声でまりよに言うた。


「まりよ。」

「なあにおばあちゃん。」

「どうして短大に行かないの?」

「おばあちゃん、それは言わないでと言うたわよ!!」


まりよにたしなめられた絹代きぬよは、つらい声で言うた。


「でもやっぱりよくないわよ。」

「おばあちゃん!!アタシは短大の一回生の単位があるのよ…短大やめても大学の二回生に編入できるのよ!!」

「でも、やめるのはもったいないわよ。」


そこへ、君枝きみえが大きなエコバッグを持って病室に入った。


エコバッグの中には、絹代きぬよが着ていた肌着類がたくさん入っていた。


「ただいま。」

「おかあさんおかえり。」

「おばあちゃんの肌着をたたんでね。」

「うん。」


まりよは、君枝きみえからエコバッグを受け取ったあと中に入っている肌着類の整理を始めた。


絹代きぬよは、君枝きみえに対して困った声で言うた。


絹代きぬよ。」

「おかあさん。」

「あんたはこのままでいいの?」

「おかーさん、まりよはおばあちゃんの病気が治るようにと思いながらカンビョウしているのよ!!」

「それは分かってるわよ…」

「短大をやめても、大学二回生に編入することはできるのよ!!」

「それくらい分かってるわよ…」

「分かっているのだったらガーガー言わないでよ!!」

「だけど…せっかく入ることができた短大をやめるのはもったいないわよ…」

「おかーさん!!」


君枝きみえは、ものすごくいらついた声で絹代きぬよに言うた。


「うちも、まりよと同じくおかーさんが元気になってほしいから名古屋ここに帰って来たのよ!!」

「気持ちは分かるけど…」

「ダンナとうちは、疲れているだけよ!!」

「ほんとうに?」

「おかーさん!!」

君枝きみえ…」

「おかーさんはいらないことを考えずに、病気を治すことだけを考えてよ!!」

「分かったわよ~」


君枝きみえに怒鳴られた絹代きぬよは、イシュクした表情を浮かべた。


君枝きみえとまりよは、夕方5時半頃まで病院に滞在した。

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