第4話
時は、10月3日の午後2時過ぎであった。
またところ変わって、前浜通りにある大型病院にて…
この病院に
場所は、
濃いピンクのトップスと白のスカートの上から黒のエプロンをつけている姿の
「おばさま、新しいお花に替えましたよ。」
「
「おばさま。」
「
「おばさま…」
「うちが『こころぼそい…』と言うたことが原因で…
「おばさま、まだそんなことを気になされているのですか?…おばさまはなにも悪くはないわよ〜」
「だけど…」
「
「だけど…よくないわよ…
「おばさま!!」
「うちは孫がほしいのよ…孫がほしいのよ…」
「おばさま、やめてください!!」
「
「だから、
「それだけじゃダメよ…」
「おばさま!!もうやめてください!!熱田(神宮)の神さまは、
「ほんとうに見ているの?」
「ほんとうです!!」
「でも…」
「おばさま!!」
「やっぱりそれだけではダメよ…」
「おばさま!!おばさまは
「言うたけど…」
「それだったら、なんで信じないのですか!?…おばさま自身が信じていれば、
「ほんとうにそれだけでいいの?」
「おばさま!!もうやめてください!!おばさまは、ご自身の
それから10分後であった。
あの事件のあと、弓子はふたりの子どもたちと別れた…
夫は、サギオウリョウザイのほかに複数の凶悪犯罪を犯した容疑でケーサツに再逮捕された。
夫の兄は、
夫の兄は、出向先の工場でマヨネーズの箱詰めだけのお仕事に取り組んでいた。
夫の両親は、リースバックを利用して家をバイキャクしたあと兵庫県で暮らしている
弓子のふたりの子どもたちは、近いうちに子どものいない夫婦の家にヨウシになることが決定した。
これにより、弓子は一人ぼっちになった。
さびしい表情を浮かべている弓子を見た
弓子さんはこれからどうするおつもりですか?
子どもたちふたりと会えなくなった…
死ぬまで、一人ぼっちで生きて行くつもりですか?
……………
時は、午後3時半頃であった。
またところ変わって、めいてつ有松駅のすぐ近くにあるイオンタウンにて…
イオンタウン内にある大垣共立銀行の支店のオフィスに
この時であった。
上司の男性は、もうしわけない表情で
「京田くん。」
「課長。」
「少しの間かまん?」
「あっ、はい。」
上司の男性は、カドにやさしい声で
「京田くん…あれ何月何日だったかおぼえてないけど…」
「7月1日のことですか?」
「そうだよ…その日はたしか
「そうですが…」
「
シラケた表情を浮かべている
上司の男性は、困った声で言うた。
「京田くん…あの時、無理なたのみを入れてごめんね。」
シラケた表情を浮かべている
「
「結婚をあきらめたって?」
「ええ。」
「もしかしたら、ワシが無理なたのみを入れたから…」
「ちがいますよ…相手方の親類に前科持ちがいるなど…で危険をさけるために取りやめましたよ。」
「そうだったのか…やむを得ない措置で結婚をやめたのであればしゃあないな…でも、深瀬の社長さまは京田くんにお礼をしたいと言うていたよ。」
上司の男性は『それはその…』と言いにくい声で言うたあと
「ちょっとその前に、お知らせがあるのだよ。」
「お知らせってなんですか?」
「京田くんは、5〜6年前にうちに出向で来たよね。」
「そうですが…」
「期限は、来年の3月31日までだったね〜」
「そうですが…あれたしか、育休を取った男性の従業員さんに代わってぼくが出向できました…それで、お知らせとはなんですか?」
上司の男性は、ものすごくつらい声で
「お知らせと言うのは…もうしわけないないけど…あと1年…こっちにいてくれるかな…
「育休を取った男性従業員さんは、どうするおつもりですか?…役に立たないからクビにするつもりですか!?」
「ちがうのだよ〜」
「違いませんよ。」
「育休を取った男性従業員さんは、おじいちゃんのカイゴをするために
「おじいのカイゴをするって…どういうことでしょうか?」
「だから、他の家族たちはおじいちゃんが大キライだからカイゴしないと言うてるのだよ〜」
「それはなんですか?」
「だから、男性従業員さんのおじいちゃんが
「トケツ?」
「男性従業員さんのおじいちゃんは、糖尿病など…複数の病を抱えているなど…少しずつ体力が弱っているのだよ…男性従業員さんは、孫たちの中でたったひとりだけおじいちゃんが大好なんだよ…おじいちゃんを放っておけないので、
「奥さまとお子さまは、どうなされるおつもりですか?」
「そうだな…」
上司の男性は、ものすごく言いにくい声で言うた。
「男性従業員さんと奥さまは、近いうちにリコンするかもしれないと言うたけど…」
「なんでリコンするのですか?」
「さあ、よくわからないけど…精神的な理由で結婚生活を続けていくことができなくなったのじゃないのか?」
「それはどういうことでしょうか?」
「よくわからないよ…それよりも京田くん…あと1年だけここにいてくれるかな?」
「さっき返事しましたよ。」
「受けてくれるのだね…ありがとう…1年以内に代わりの従業員さんを呼ぶから…すまないね。」
上司の男性は、ものすごく言いにくい声で
ここにあと何年いようが関係ない…
それよりも、
見えすいたウソを言うのじゃないよ…
(ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…)
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