第2話

時は、夜9時半頃であった。


またところ変わって、名古屋市南区松城町にある大型和風建築の家にて…


家は、半兵衛はんべえの家族4人が暮らしている家である。


半兵衛はんべえの家族は、長男・信孝のぶたか(45歳)と次男・信包のぶかね(39歳)と半兵衛はんべえの妻・絹代きぬよ(70代)の4人である。


絹代きぬよは、6ヶ月前に脳こうそくをハッショウしたことが原因で長期入院中であった。


真央まおは、絹代きぬよに代わって家のことをするためにこの家に滞在していた…


…と言う家庭環境であった。


話は代わって…


家の居間に真央まお半兵衛はんべえ昌信まさのぶみきこ夫婦と元春もとはる隆景たかかげの6人にくわえてもうひとり22歳の大学生の男の子がいた。


この時、信孝のぶたか信包のぶかねはまだ帰宅していなかった。


大学生の男の子は、昌信まさのぶのオイゴの鹿之助しかのすけだった。


鹿之助しかのすけは、この日の昼前に東海道本線とうかいどうせんの踏み切りで車をエンコさせたあと自殺未遂さわぎを起こして列車の運行をボーガイした張本人であった。


鹿之助しかのすけはシューカツでオワハラの被害を受けたと言うたが、実際に被害を受けたのは別の学生さんだった…


鹿之助しかのすけは、シューカツの他にも深刻な悩み事を複数かかえていた。


鹿之助しかのすけは、半兵衛はんべえ真央まおに対して『人生を全部リセットするために踏み切りで事件を起した…』と言うた。


大学が楽しくない…


シューカツをしたけど、やみくもに動いたから大失敗した…


大学へ行く意味がなくなった…


…と言うた。


真央まお半兵衛はんべえは、困った声で鹿之助しかのすけに言うた。


「どうして全てをリセットするのよ!?せっかく入れた大学をやめるなんてもったいないわよ〜」

「そうだよ…4回生をがんばったら晴れて卒業できるのだよ!!」


鹿之助しかのすけは、怒った声で言うた。


「せっかく入れた大学だから…と言う言葉がいらつくのだよ!!」


真央まおは、泣きそうな声で言うた。


「どうしてそんなに怒るのよ…」

「怒りたくもなるよ!!」


半兵衛はんべえは、困った声で言うた。


「なにがいかんと言うのだよ…シューカツがつらいのであれば、勉学に集中する方に替えたらどうかな~」


真央まおは、やさしい声で鹿之助しかのすけに言うた。


「その方がいいわよ…シューカツは卒業式の翌日以降でもできるのよ~」

「卒業式の次の日にしろだと!?」

「だから、鹿之助しかのすけさんが気持ちよく働くことができる会社はまだいくらでもあるわよ〜」

「軽々しくものを言うな!!」


思い切りブチ切れた鹿之助しかのすけは、ものすごく怒った声で言うた。


「オレ…大月の実家の家族たちにもうしわけないことをしたと思っているよ…もうすぐ、ぶどうのシュウカクの時期が来るのだよ…実家のまわりがあわただしくなるのに…オレが華のキャンパスライフをマンキツしている…それが許せないのだよ!!」


鹿之助しかのすけが言うた言葉に対して、半兵衛はんべえ真央まおは『もうしわけないと思うのであれば大学へ通えばいいだけじゃないか。』と言うた。


「実家のおとーさんとおかーさんにもうしわけないと思うのであれば、大学へ通ったらどうかな~」

「そうよ…実家のおとーさんとおかーさんは、あなたががんばって大学に通っている姿を遠くから見守っているのよ。」

「だから、それが許せないと言うてるのだよ!!…上のアニキたち3人は大学に行くことをあきらめてぶどう農家を手伝っているのだよ!!」


真央まおは、つらそうな声で言うた。


「それなら、3人のおにいさまの分までキャンパスライフを楽しめばいいじゃない!!」


半兵衛はんべえもつらそうな声で言うた。


「そうだよ…3人のおにいさまたちは鹿之助しかのすけくんが元気な顔で大学に通っている姿をはげみにがんばっているのだよ…」

「ふざけるな!!アニキたち3人は受験勉強をせずにだらけていたから大学に行けなかったのだよ…3人のアニキは…ナマケモノだ!!…もういい!!ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー!!」


鹿之助しかのすけは、キセイをあげながら家から出た。


半兵衛はんべえたちは、ラクタンした表情を浮かべながら下にうつむいた。


(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)


時は、深夜11時55分頃であった。


またところ変わって、めいてつ本笠寺駅の付近にある高架下の通りにて…


高架橋の上を通っている線路にめいてつ本線の電車が走行していた。


思い切りブチ切れた鹿之助しかのすけは、ふらついた足取りで歩いていた。


この時、カレはメイテイ状態におちいった。


その中で事件が発生した。


(ドカッ…)


メイテイ状態におちいった鹿之助しかのすけが通りかかった派手なシャツを着た男とぶつかった。


「テメエ!!オレに喧嘩ゴロを売る気か!?」

「ふざけるなクソガキ!!ぶっ殺してやる!!」

「やるんかワレ!!」

「ワーワーワーワー!!」


(ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!)


思い切りブチ切れた鹿之助しかのすけは、やくざの男とらんとうを繰り広げた。


それから数分後であった。


「アニキ…アニキ助けてくれぇ〜」


チンピラの男が女々しい声で助けを求めた。


鹿之助しかのすけは、近くにあった大きな石でチンピラの頭をはげしく殴りつけて殺した。


この時であった。


ヤキソバヘアで黒のサングラスをかけていてももけた(ボロくなった)ハラマキ姿で地下足袋をはいている男が鹿之助しかのすけのもとにやって来た。


ヤキソバヘアで黒のサングラスをかけた男は、四国にある薬問屋の番頭ばんとはんの竹宮豊国たけみやとよくにであった。


竹宮たけみやは、ものすごく怒った声で鹿之助しかのすけに言うた。


「コラ待てクソガキ!!逃げる気か!?」

「なんだこのやろう!!」

「よくもワテのかわいい舎弟おとうとを殺したな!!オトシマエつけてもらうぞ!!」

「なんやコラ!!死ねや!!」


(ドカッ!!)


思い切りブチ切れた鹿之助しかのすけは、竹宮たけみやに体当たりをした。


鹿之助しかのすけに体当たりされた竹宮たけみやは、その場に倒れた。


「ふざけるな!!」


思い切りブチ切れた鹿之助しかのすけは、右足で竹宮たけみやをけとばした。


その後、鹿之助しかのすけは走って逃げようとした。


この時、近くにいたやくざの男たち30人が鹿之助しかのすけのもとにやって来た。


「待てコラ!!」

「よくもアニキをボコボコにどついたな!!」

「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!ワーワーワーワーワーワーワーワー!!」


このあと、鹿之助しかのすけはやくざの男たち30人とらんとうをくり広げた。


しかし、途中で鹿之助しかのすけが転倒した。


「なんだこいつは!!」

「まあええわ!!やっちまえ!!」


思い切りブチ切れたやくざの男たちは、転倒した鹿之助しかのすけをボコボコに殴りつけた。


この時、竹宮が起き上がった。


「アニキ、でぇじょーぶですか?」

「ああ…オレにたきつけたあのクソガキをコンクリ詰めにしろ!!」

「へえ。」


30人のやくざの男たちからボコボコに殴られた鹿之助しかのすけは、このあとコンクリ詰めにされて三河湾うちうみに面した岸壁かいがんにおちて沈んだ。


日付が変わって、7月2日の深夜1時半頃であった。


またところ変わって、松城町の家の食卓にて…


食卓のイスに真央まおがひとりで座っていた。


この時であった。


ゴルフウェア姿でブリヂストンのツアーステージのロゴ入りのゴルフバッグとボストンバッグを持っている信孝のぶたかが帰宅した。


信孝のぶたかは、上司のお供で伊良湖岬いらごにあるゴルフ場に行ってた。


信孝のぶたかは、ものすごく怒った表情で居間に入った。


真央まおは、怒った声で信孝のぶたかに言うた。


信孝のぶたかさん!!」

「なんだ!!」

「こんなおそい時間までなにしていたのよ!!」

「オレはヨアソビしていたのじゃない!!部長のお供で伊良湖岬いらごへ行ったのだよ!!」

「ウソばかり言わないでよ!!」

「なんだこのやろう!!言いがかりをつけるのか!?」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、ゴルフバッグと純正のボストンバッグを置いたあとドカドカと足音を立てながらキッチンへ向かった。


その後、冷蔵庫に入っていたアサヒカクテルパートナーのスクリュードライバーの500ミリリットル缶2本を取り出したあと冷蔵庫の戸をバーンとしめた。


信孝のぶたかは、アサヒカクテルパートナーの缶ふたつをテーブルの上に置いたあとイスに座った。


信孝のぶたかは、怒った声で真央まおに言うた。


「ふざけるなよコラ!!」

「なにを怒っているのよ!?」

「(イトコ)がオレよりも先に結婚したことを怒っているのだよ!!」

「なんでダンナとアタシが結婚したことを怒っているのよ!?」

「やかましいドロボー!!オレと信包のぶかね学資保険ほけんをドロボーしておいてひとこともわびないのか!?」

「悪かったと思っているわよ!!」

「ふざけるな!!」


(バーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、テーブルを平手打ちで思い切りたたいたあとよりしれつな怒りをこめながら真央まおに言うた。


「ふざけるなクソガキ!!なにが『じっと動かずに待っていれば素敵な花嫁さんに出会うことができる…』だ…あんたのクソオヤジがそのように言うたからオレは婚期を逃した!!」

信孝のぶたかさん!!」

「あんたのクソオヤジがじっと待てと言うたからその通りにしたけど、素敵な花嫁さんは来なかった!!」

「おとーさんは、待っているあいだにできることはあるよと言うたのよ!!」

「だまれ!!」


(ガチャーン!!)


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、近くにあったかたいものを花瓶にむけて投げつけた。


かたいものが花瓶を直撃した。


花瓶は、粉々に割れた。


「オレはあんたが毎月1万円ずつチョキンしたらどうかと言うたからその通りにチョキンした!!…コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…コツコツコツコツと毎月1万円ずつチョキンした!!…それなのに花嫁さんは来なかった!!…あんたが『上の人の言うことを聞いていたら大丈夫よ』と言うたからその通りにしたけど、それでもだめだった!!」

「まだ信孝のぶたかさんの身丈に合う相手おあいてがいないだけと言うているのよ!!」

「オドレぶっ殺してやる!!ぶっ殺してやる!!」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、キッチンにあったチタン包丁を手に取った。


その後、信孝のぶたかは包丁をふりまわしながら暴れまわった。


「ワーワーワーワーワーワーワーワー!!」

「やめてー!!やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてー!!」


それから数分後であった。


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、真央まおを床に倒したあと白のスカートをゴーインに脱がした。


「やめて!!イヤ!!」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、下に着けていた黒のストッキングと白のショーツを無理やり脱がした。


「イヤ!!イヤ!!」

「ふざけるな!!テメエばかりがしあわせになりやがって!!オレに花嫁さんが来ない原因を作ったからやっつけてやる!!ワーワー!!」

「いたいいたいいたいいたいいたい!!」


思い切りブチ切れた信孝のぶたかは、真央まお両脚あしを無理やり開かすなどの暴力をふるった。


泣き叫んでいる真央まおは『信孝のぶたかさんごめんなさい!!』と言うより他はなかった。


真央まおは、信孝のぶたかに身体がボロボロに傷つくまで犯された。


ごめんなさい…


信孝のぶたかさんごめんなさい…


アタシ…


どうしたらいいのよ…


あなた…


助けて…


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