【辛口ヒューマンドラマ】私のしあわせな結婚−32
佐伯達男
第1話
時は、2023年7月1日の午後12時半頃であった。
場所は、名古屋栄の中心地にある名古屋東急ホテルの
この時、
ソワソワした表情を浮かべている
今日は、
早く来ないと、間に合わなくなるぞ…
この時、
「おじさま!!おじさま!!」
「なんだよぅ〜」
「おじさま!!おちついてください!!」
「分かってるよぉ〜…だけど、
「
「分かってるよぉ〜…ああ、
この時、
「おうちに帰りたい…」
「おうちに帰りたい…」
近くにいた
「ごめんね…ごめんね…」
「ぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずん…」
「ぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすん…」
「ああ、泣かないで…
「こんなところはイヤ!!」
「アタシもイヤ!!」
「ふたりとも泣かないで…きょうは、おねえちゃんがオムコさんをもらう日なのよ…おねえちゃんは引き続き
「ぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすん…」
「ぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすんぐずんぐすん…」
こまったわ…
どうしたらいいのよ…
おねえちゃんはお嫁に行かないのよ…
オムコさんが家に来るのよ…
どうしたらいいのよ…
それよりも、
大事な日だと言うのに、なんで仕事の予定を入れたのよ…
(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…)
さて、その頃であった。
またところ変わって、JR稲沢駅の構内にて…
街の中心地に中央消防署のスピーカーからけたたましいサイレンが鳴り響いた。
同時に、地区の消防団の詰め所のハンショウと救助工作車とパトカーのサイレンが鳴り響いた。
駅のプラットホームに金沢発名古屋行きの特急しらさぎが停まっていた。
午前11時58分頃にJR
事故の影響で、稲沢と
それでは、なんでけたたましいサイレンとハンショウが鳴り響いているのだ…
この時、脱輪した軽四自動車の中に大学4回生の男子学生が乗っていた。
男子学生は、シューカツでオワハラの被害を受けたことを苦に命を絶とうとした…
踏み切りで脱輪した軽四自動車は、3日前に名古屋市中村区の路上でトウナンの被害に遭った車だった。
車の中には、危険物が積まれていた。
現場の踏み切りには、
刑事たちは、軽四自動車に乗っている大学生に対して『車から降りるように…』と説得した。
大学生は『オワハラの被害を受けたから死んでやる…』とわめきながら
大学生が『ほんとうに火をつけてやる!!』と言うたあとわけのわからない言葉をいいまくった。
現場が危険な状態におちいった。
ところ変わって、JR稲沢駅にて…
特急列車に乗っていた乗客たちが次々と列車から降りた。
このあと、乗客たちは歩いてめいてつ国府宮駅へ向かった。
この時、
午前10時40分頃におつかいを終えて折り返し便の特急しらさぎに乗って名古屋へ向かっていた頃に急なアクシデントに遭った。
アクシデントがなければ、1時5分前までに名古屋東急ホテルに到着する予定だった。
サイアクだ…
こんな大事な日に…
なんで日帰り出張の予定が入ったのだ…
(ジュージュージュージュージュージュージュージュージュー…)
またところ変わって、バンテリンドームナゴヤのすぐ近くにあるイオンモールにて…
この日入る予定だったパート従業員ふたりがケビョウを使って休んだので、
ストップウォッチを使って時間をはかりながらみそかつを揚げているのに、コロモがサクサクいわない…
どうしてよ…
早く急がないと…
1時までに間に合わない…
だけど…
あと8人分作らないと…
この時であった。
女性従業員さんがものすごく泣きそうな声で言いながら調理場にやって来た。
「
「分かってるわよ!!」
「4番テーブルの相席の7人家族のおきゃくさまがいつになったら定食ができるのと言うてるわよ!!」
「分かってるわよ!!」
「小さいお子さまたち3人が『お腹すいた〜』と言うて泣いてるわよ!!」
「分かったから急かさないでよ!!」
(ピピピピピピピピピピピピピピピピ…)
この時、タイマーの電子音が鳴った。
その後、包丁を使って食べやすいサイズにカットしようとした。
しかし…
コロモがサクサクと言わなかった。
「キーッ!!」
思い切りブチ切れた
女性従業員さんは、ものすごく怒った声で言うた。
「ちょっとなにしてるのよ!!」
「コロモがサクサク言わなかったから揚げ直しているのよ!!」
「
「きょうアタシは、娘の
「それならなんで上の人に伝えなかったのですか!?」
「やかましい!!あんたも悪いのよ!!」
「なんでアタシを悪者にするのよ!!」
そこへ、男性従業員さんがやって来た。
「たいへんだ!!4番テーブルで相席のトラブルが発生した!!」
「知らないわよ!!」
「アタシも知らないわよ!!」
この時だった。
店にいたおきゃくさまたちの怒号が響いた。
「ふざけるな!!」
「なにやってるのだよ!!」
「早くしろよクソババア!!」
「子どもたちがお腹をすかせて待っているのよ!!」
「いつまで待たせるのよ!!」
「おーい!!こっちは1時までにタイムカードをおさないといけないのだぞ!!」
「いつになったらできるのだ!!」
「コロモがサクサク言わないからどうしたいのよ!!」
「ふざけるな!!」
「金返せ!!」
「作らないのであれば、イオンスタイルで弁当を買うぞ!!」
「うちの食費は、あんたがはらいなさいよ!!」
あああああああ!!
どうしたらいいのよ!!
(ガシャーン!!ガシャーン!!ガシャーン!!)
この時であった。
店内にいた客たちが
時は、12時55分頃であった。
またところ変わって、名古屋東急ホテルの
あと5分で
館内放送で
館内放送を聞いたおおぜいの人たちの間で動揺が生じた。
なんで1時間遅らせるのよ…
この時、新郎新婦のそれぞれの控え室でより深刻なもめ事が発生したようだ。
ところ変わって、新郎の控え室にて…
新郎の控え室には、
もめ事の原因は、
この日、
その後、
ことの次第を聞いた
「まったくどういうことよ!!
「
「それじゃあ、どうして
「アタシは、身をていして
「サイアクだ…サイアクだ!!」
「ええサイアクよ!!」
みきこは、気が狂いそうな声で言うた。
「
「負けた分を取り返したいのだよ…必ず返すから…カネをユウヅウしてくれ〜」
(ドカッ!!)
思い切りブチ切れた
「出ていけ!!家から出ていけ!!ケームショへ行け!!」
「イヤだ!!ケームショはイヤだ!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」
思い切りブチ切れた
「やめてください!!
この時、
「どけ!!」
「やめてください!!」
「どけと言ったらどけ!!」
「おだやかに話し合いをしてください!!」
「おだやかに話し合いができるものか!!」
「やめて!!」
新郎の控室は、きわめて危険な状態におちいった。
さて、その頃であった。
ところ変わって、新婦の控室にて…
この時、
それまで着ていた純白のウェディングドレスは、すでに脱いだ。
着替えを終えた
この時、
「アタシがどこへ行こうとあんたには関係ないわよ!!」
「
「アタシは、結婚以外の人生が見つかったから家を出るのよ!!」
「それはどういうことですか!?」
「カンショーしないでよ!!」
「
「アタシは、
「なんで
「大キライと言うたら大キライよ!!」
「それじゃあ、おとうさまとおかあさまのお気持ちはどうするのですか!?」
「カンケーないわよ!!」
「おとうさまとおかあさまはあなたがよろこんでいるお顔が見たいと言うていたのよ!!」
「アタシは、
「そんなことはありません!!みなさまは、あなたがよろこんでいるお顔が見たいから時間を作ってここにお越しになられたのよ!!」
「そう言えるコンキョはなによ!!」
思い切りブチ切れた
だが、
「のいてよ!!」
「お願いです!!おちついてください!!」
「のいてと言うたらのいてよ!!」
「お願いですからここにいてください!!」
「アタシは
「
「なんで行く手を
「おとうさまとおかあさまが到着するまでここにいてください!!」
「アタシは
「それだったら、
「
「
この時であった。
「ワーンワーンワーンワーンワーン…」
「ワーンワーンワーンワーンワーン…」
「どうしたのよ!?」
「ワーンワーン…おかあさんが倒れた〜」
「おかあさんが倒れた〜」
「おかあさんが倒れたって!?」
「うん…頭が痛いと言うたあと倒れた〜」
この時であった。
思い切りブチ切れた
そして…
(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)
思い切りブチ切れた
「やめて!!
「うるさい!!あんたもぶっ殺してやる!!」
「やめて!!」
思い切りブチ切れた
こわくなった
それから20秒後に
(ピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポーピーポー…ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…カンカンカンカンカンカンカンカン…)
ところ変わって、ホテルの正面玄関前にて…
正面玄関前に名古屋市の中央消防署の救急車と救助工作車がけたたましいサイレンとカネを鳴らしながら到着した。
つづいて、キンリンの消防署から応援でやって来た工作車3台が正面玄関に到着した。
車両の中から、救助隊員たち40人が降りた。
救助隊員たち40人は、大急ぎで館内に入った。
このあと、正面玄関にタクシー1台が到着した。
タクシーの中から
タクシーを降りた
ところ変わって、館内にある
この時、
館内に入った
この時、
「
「一体、なにがあったのよ?」
「
「中止になった!?」
「とにかく行きましょ!!」
ところ変わって、新郎の控室にて…
頭が痛いと言うたあと倒れた
リーダーの男性は、怒った声で言うた。
「50代女性!!脳挫傷を起したあと意識不明の重体におちいりました!!」
「急げ!!」
近くにいた
そこへ、
「ちょっと、一体なにがあったのよ!?」
みきこは、泣きそうな声で言うた。
「
「
「小さい子どもがふたりいるのに…どうしたらいいのよ…」
「おかーさん…」
「おかーさん…」
「うううううううううううううう…」
ストレッチャーにのせられた
救命センターに到着したあと、
それから2分後であった。
「あのー…おかあさま。」
「はい。」
「
「
「要精密検査…」
「ええ。」
みきこからことの次第を聞いた
サイアクだわ…
一生一度のよろこびの日に…
深刻なもめ事が発生した…
結婚以外の生き方が見つかったと言うたけど…
どうやって生きていくのよ…
お願いだから、冷静になってよ…
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