2話・神

さて2話目です、前の書き方に比べて労力が……

本当に2000~3000文字で毎日書いてる人がすごい。

そういえば、リメイク前の概要欄に、リメイク後のURL乗せたほうが良いかな?


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 教室を包み込んだ光はその場にいた全員の視界に焼き込められ、その視界が白に染まる。

 その光から身近な二人をかばった絢もその光の影響でその視界が焼かれていた、感触で周囲を確認すると、どうやら何かやわらかい場所に座らされているようだ、やがて周囲の地形の輪郭がその形を取り戻しだし時間がたつにつれ周囲の色をその身に伝えだす。

 絢がある程度戻った視力で周囲を確認すると、なんとも生活感がある部屋の景色がその目に映り周囲にはクラスメイトどころか先ほど自分がかばったはずの唯と都月も、必ずいるはずのその部屋の主を含め自分以外誰もいなかった。


「ヤッホー、そろそろ聞こえるよね」


 そう声を発したのは、先ほどまで教室にもこの部屋にもいなかったはずの少年、少年は無邪気で邪気のある顔を浮かべながらいつの間に絢の隣に座り絢に向けて声をかけていた。


(さて、ここはどこでしょうか、どこをどう見ても先ほどの教室とは思えませんし、眠らされた感覚もありませんし……)


「ねぇ、聞いてるー?」


 聞いているか若干の不安を持つ少年は絢の視界の大半を占有するように身を乗り出すが、それにすら絢は反応しない。

 隣に座っている人間に全く認識されていなかった少年は次第に絢の視界の占有率を上げ、今は絢の目の前で体育座りをするところまで来ていた。


(……だんだんととうざくなってきましたね、そろそろ反応してあげましょうか……)


「うざいとか酷いよ!!」


 まるで自分の考えていることに対して返事をするかのように言葉を出す少年に、絢ははわざと訝し気な顔を作りの口調で少年に質問をする。


「変態……?」


 それに「違うよ!!」と勢いよく否定をした後、少年は呆れたように絢に言葉を発する。


「それにしても、キミ驚かないんだねぇ」


「驚くって言ってもいったい何を、あ……心を読めるんですか!!」


「最初の方で台無しだよ!!

 ……考えないと出てこないなら言わなくていいよ、もう、こっちが恥ずかしくなってくる」


 そう不貞腐れるように言う少年だったが、それを叱責と受け取った絢はその少年に対し謝罪する。


「もういいよ、それで、何か質問とかないかな?」


 少年は再び表情を戻し絢に話しかける、その顔は新しく知った自分の知識を明かしたいだけの子供のようにも見える。

 自分で


「質問……そうですね、とりあえず、唯や都月さん達は何処にいるんですか?」


「キミ以外の人間は僕の後輩のところにいるよ、君たちが呼ばれたのは一応あの子の世界だからね、まだ送ってないみたいだしキミ達がこれから行く世界の質問でもしてるんじゃない?」


 その少年の言葉が引っかかった絢はさらに質問を続ける。


「これから行く世界?」


「キミ達は地球とは別の世界に呼ばれたんだよ、よくある異世界転移っていう話さ、たぶん魔神でも討伐させられるんじゃないかな?」


「魔神?」


「そ、キミ達が行くのは剣や原始的な銃を武器として魔法で戦う世界さ、もちろんドラゴンや神様、神だっている、キミにとっては夢のような世界なんじゃないかな?」


 その言葉は確かに正しかった、魔法と言えば、昔であれば魔女や魔法使いなどが一般では知られない方法で化学現象を起こしそれを魔法と恐れられたというのがよく言われる、だが、絢の前で言えばそういう意味での魔法は存在し得ない、優れた観察眼と記憶力により大抵の物は一度見てしまえば再現ができる、それでも魔法と言うものは存在する、絢でも物を浮かすことはできないし、無重力を作り出すことはできない、それは魔法と言えるだろう。

 それを聞いた絢の顔は過去一番と言っていいほど笑みにあふれ、その頭の中には、様々な予想が渦巻いていた。


「まあ、そうですね、あと二つほどいいですか?」


「ん……何?」


 ここで質問が終わると思っていた少年はこの先にも質問が続くことを不思議に思う。


「ここは何処ですか?」


「神界……って急に言ってもあれだしなぁ、家……、そうここは僕の家だね」


「家……、じゃあ、なんで私は此処に連れてこられてるんですか?」


「なんでって言われても、別に僕が連れてきたわけじゃないからわからないんだよね、しいて言うなら、他の世界からの救援要請でキミが選ばれたから、っていうのが理由なんじゃないかな?」


 絢はその言葉の一部分に引っかかる、少年に質問する。


「『私達』ではなく『私』ですか?」


 その質問に対して、少年は「うん、まあ、キミは色々と特別なんだ」と目を泳がしながら、はぐらかす。


「はあ、じゃあ、貴方にとって私はどういう存在なんですか?」


 絢がそういうと少年はさらに大きく目を泳がす、その回答を待ち絢が少年をじっと見続けると観念したように話し始めた。


「怒らないでくれる?」


「私はそうそう怒りませんよ」


 絢がそういうと、少年は安心したようで、質問の回答を話し始める。


「……そうか、うん、とりあえず、僕の自己紹介からやろう、僕はキリィー、神……と言っても神様やそういう種族じゃない、神っていう役職なんだよ!!」


「はあ、それで?」

(もしかしなくても残念な人なんでしょうか)


「違うから、残念な人じゃないから!!

 ……とりあえず、僕はそのくらい力があるんだ、本来は神によって邪魔が入る人体生成も、僕だったら簡単にできる、それで……僕たちの間であるゲームが流行ったんだよ」


「ゲーム……ですか?」


「うん、どこまでハイスペックな人の子を作れるかっていうゲームなんだけど、僕が創ったのがキミなんだよね」


 その言葉に嘘はない、それは絢も理解しその言葉を聞き続ける。


(話の迂回が多いですね……)


「つまらない話だったみたいだね」


 キリィ―はまた絢の心を読んだようで、同にも不貞腐れたようにそういった。


「つまらないわけではないんですが……、時間は大丈夫なんですか?」


 絢の質問は、キリィ―を納得させ機嫌を直すに十分だった。


「あー、大丈夫、今こうやってお話をするために地上の時間は止めてるから、僕の力なら永遠にこうやってお話しすることもできるよ」


「そうですか……」


 言葉では、短く冷たいものだが、その心にはキリィ―とキリィ―が使う魔法に通常以上の興味が向き、その心をキリィ―も感じ取る。


「まあ、キミは僕の子供みたいなものなんだよ」


「そうですか」


 先ほどと全く同じ声色で発された全く同じ言葉、だがそこには、先ほどのような興味の心は含まれていなかった。


「まあ、そんな僕の子供を地球の動物よりも強い生物がうようよいるようなところに、碌な力もなく放り出すようなことしたくないんだよねぇ……」


 その提案にも等しい言葉は、先ほどの言葉で失った興味を再び向けるには十分だった。


「何をしたらいいんですか?」


「そうだねぇ……スキルって言ってわかる?」


「……特技ですか?」


「まあ、間違ってはない、でも今回のは少し違う、小難しい魔方陣も長い詠唱も使わずに簡単にを発動させる方法だよ」


「どんなのでもいいんですか?」


「うん、何でもいいよ」


 そういわれ少し悩む、あらゆる事象を検証し、最も生存率が高いものを考える。


「なら、……を、詳細も言ったほうが良いですか?」


「いや大丈夫だよ、でも使いこなせる?」


「私は神の子供なのでしょう?」


「そうだったね……」


 そういうとキリィ―は絢に向けて笑みを浮かべて、「またね」といい、絢も同じ言葉を返し、それと同時にこの部屋にいた時と同じように、白い光が視界を焼いていく。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


さて、大問題が起きました、異世界転移の小説において、2話に至っても異世界の光景が浮かびません……、神界は異世界なのか?

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