第9話 作戦決め
ボクらは荷物を台所に置き、元々あった木箱は外に移動させた。そうして身軽になった皆を集め、テーブルに囲わせた。テーブルの上には紙と鉛筆を置いてある。
「今から用意して欲しいのは、屋敷の中に入るための道具だ。戦い始めたらキリがないだろうし、今回は証拠を集めるだけでいいからな」
そう言ってボクは紙にクナイや鉤縄の絵を描いた。
「これらがあれはきっと集められるだろう。これを人数分作りたいのだが、君達は動けるのかい?」
「私は走りや体力には自信がありますが、戦闘面でいえば全く……」
「俺はさっきミキさんが見たくらいは走ったり攻撃出来ますが、隠密行動をとるなら不向きかと……」
「となるとしずかさんは建物の中、ゆうきさんには建物の外で行動して貰おうと思う。ボクは全く動けないが、知識で言えばボクが一番上だ。だから予測できない建物の中に入ろうと思うのだけれども大丈夫だろうか?」
「私はその方が助かります」
「俺も作戦をちゃんと決めてくれれば構わないぞ」
「春斗はらっかんちゃんを見てて欲しいのと、この家を守ってて欲しいのだけれども大丈夫か?」
「その方が助かります」
「よし、これで活動メンバーは決まったな」
ボクは決まったことを紙に書いていく。
「ってことで鉤縄を五個とクナイを出来るだけ欲しいのだが……今の環境で作れるのか?」
「ああなにも問題ない。工具は持ってきたし」
「暖める炎も冷ます水も私が魔法で出せるわ」
「ふむ、魔法か……」
いまここで魔法の存在が証明されるのか……別にいいのだが。
「とりあえず作戦は明日だ!早くしないと叩かれる可能性が高いからな!取りかかるぞ!」
「「はい!」」
そういって夫婦は私が描いた絵を手に持ち、台所へ向かった。
「……魔法って聞いたら先輩は飛び跳ねて見せて貰うと思ったんですけど、違うんですね」
「ボクの事をバカにしてるのか?時と場合くらい配慮する。今回の件さえ終わったらじっくりと見せて貰うさ。ボクは二人の手伝いをしてくるからその子の面倒見ておいておくれよ」
「はーい、わかりました」
ボクは新しく描いた絵を持って台所に向かった。二人は驚くことに、もう自分の仕事場のように道具や素材を広げて仕事を行っていた。
「早いね、二人とも」
「私達の仕事はこれですから」
「ふむ、凄いな。申し訳ないがこれも作っておいてくれないか?」
ボクは新しく描いた紙を職人に渡す。
「これですか?これだと一メートル……」
「いや、十二センチでいい。あとこっちは二つ……」
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