第22話:なんとなく帰ってきた日常。

「ただいま、姉ちゃん」


「お〜お帰り叶多」

「どうなった?・・・瑠奈ちゃんは?」


「うん、大丈夫だよ、亡くなった日までさかのぼって助け出してきた」


「そう・・・よかったじゃない」

「瑠奈ちゃん、お帰り」

「もう幽霊も瑠奈ちゃんじゃないんだね」


「ただいま、お姉さん・・・ご心配おかけしました」


「よかった〜」


そう言って姉ちゃんは瑠奈を抱きしめた。


「お祝いしなくちゃね・・・じゃ〜今夜は焼肉パーティーだ 」


「姉ちゃんそんなに急に言ったって食材揃ってないだろ?」


「バ〜カ、姉ちゃんを舐めんなよ」

「私はね、瑠奈ちゃんはちゃんと生きて帰ってくるって信じてたから、

高級な肉用意して待ってたんだよ 」


「まじで?」

「さすが姉ちゃん・・・痒いところに手がとどくな」


ってことでその晩、俺たち3人で焼肉パーティで盛り上がった。

そしてその夜。


「叶多・・・私とエッチしたい?


「したい・・・けど、やめとく」


「なんで?私が幽霊だった時、あんなにエッチ、エッチって言ってたのに」


「ん〜なんて言うかな・・・大切なものは大事にしてたいって心境かな」


「なにそれ・・・そうなの?いいの?・・・私はいいんだよ」


「今なね、瑠奈がそばにいてくれるだけで俺は幸せなんだよ」


「叶多・・・」


「その代わりハグとチューはいっぱいしてほしいかも・・・」


「分かった、いっぱいしてあげる」


その夜は瑠奈をハグしたまま眠った。

で、次の朝、俺はまた瑠奈に4時に起こされた。


「叶多・・・起きて」

「おっきろ〜」


そう言うと瑠奈は寝てる俺の上にまた思い切りダイブした。

ダ〜ンってすごい音がした。


「おえ〜っ、ごふっ・・・おおおおおお、お、お、おっおっお」

「う〜〜〜〜び・・・びっくりするだろお〜」

「なにやってんだよ、おまえ・・・」

「いきなりダイブしたら、内臓破裂で死ぬだろうが・・・」


「死んじゃったら今度は私が叶多を助けに行くから」


「俺はまた死にたかねえ・・・」

「エッチするまでは死ねないからな」


「え?やっぱりするんだエッチ?」


「夕べは自粛しようと思ったけど、今朝目が覚めたら無性にしたくなった」


瑠奈は嬉しそうに俺にハグしてチューした。


「はいはい・・・じゃ〜起きて〜・・・」


「え?この流れでエッチするんじゃないのか?」


「朝からその気になんかなんないよ」


「そうか・・・たいがいはそう言うことは夜だもんな」

「姉ちゃんは、まだ寝てるのか?」


「そうみたい」

「じゃ〜私が朝食作ろうかな?」


「それはいいんじゃないか?」

「真っ黒に焦げた物体は皿に乗って出てくるんだろ?」

「デジャヴだよ、それって」


「どっちみち叶多とふたりっきりになったら私が作らなきゃいけないでしょ」

「今からでもできるようになっとかないとね」


「まあな」

「それより、瑠奈の父ちゃんと母ちゃんになんて言おう」

「自分たちの娘は、もう亡くなってると思ってるのに・・・」

「おまえが生きてるって分かったら・・・」


「だね、でもいつまでもは内緒にもしておけないよね」

「いいじゃん、その時はその時、なるようになるでしょ」


「相変わらず瑠奈はノ〜天気だな」


「ふわ〜〜〜〜おっはよう・・・ふたりとも早いね〜」


「姉ちゃん、おはよう」


「瑠奈ちゃん・・・よかったね〜」

「で、あんたたち、もうやったの?」


「やった?・・・なにを?」


「決まってるだろうが・・・なんのために昨夜焼肉食ったんだよ」


「あ〜・・・まだやってねえよ」

「うそ・・・叶多・・・わたしはてっきり夕べのうちにやったのかと

思ったのに・・・」


「姉ちゃんには俺のこの繊細な気持ちは分かんねえんだよ」


「なにが繊細だよ・・・がさつでヘタレなだけだろ」」

「まあいいわ・・・朝メシ作るから」


「私もお手伝いします」

「そうお?・・・じゃ一緒に作るか」


そんなやりとりをしていると・・・。


とぅ〜び〜こんて乳。

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