第12話:現世に残ることになった馬草把(うまくさわ)さん。
俺はなんとかオカルト女「
もうすこしでいいよって言っちゃうところだった。
幽霊でも俺には瑠奈がいるからな。
一方、瑠奈をあの世に、連れ戻そうと現世にやって来た三途の河の管理人
「
「帰りません!!」
「誰になんて言われたって絶対帰りませんからね・・・三途の河になんか・・・
ずえ〜ったい!!」
「困りましたね・・・」
「そうですよね、愛しい人のところに帰ってきて、せっかく楽しくやってる
ところに水を差さされるようなことされたら誰だって嫌ですよね」
「その気持ちは私もよく分かります」
「え?
「いいえ、幸いにも私は生前好きな人いませんでしたし結婚もしてません」
「だから瑠奈さんみたいな思いをしなくて済んでるんですけどね・・・」
「なんだ・・・なにボケかましてるんですか・・・なら、私の気持ちわかる
訳ないじゃないですか・・・適当ね〜」
「それでよく三途の河の管理人なんか勤まってますね」
「はあ・・・まあ、帳簿を照らし合わせるだけですから・・・」
「そうですか、はい!!分かりました・・・私もあの世に帰ったってなにも
ありませんから」
「だから、いっそこの現世残ろうかと思います」
「え?
「帰らないと閻魔様に怒られるんじゃないの?」
「いいんですよ、私ひとりくらいいなくっても誰も気づきもしませんし
探しになんか来ませんから」
「なので、この家、遥さんち居候させていただく訳にはいきませんかね」
「そんなこと・・・お仕事放棄していいんですか?」
「いいんですよ、私以外にも三途の河には「
っておばあちゃんもいますから、大丈夫ですよ」
「あ、そうなの?・・・じゃ〜いいよ」
「え?いいんですか・・・よかった、感謝します瑠奈さん?」
「あのね、私をあの世に連れて帰らないのなら、ここにいていいよ」
「それが条件ね」
「分かりました・・・クチが裂けても瑠奈さんを連れて帰るなんて言いません」
「よろしい・・
「心配しなくていいからね、
「叶太は私がいないと生きていけないんだから・・・」
「じゃ〜遥さん、死んじゃったらいいんじゃないんですか?」
「それなら、ふたりとも幽霊だからいいんじゃないですか?」
「なるほど、それいい考えね・・・って、叶太を死なせる訳にはいかないでしょ?」
「私が叶太を殺したら、それって殺人じゃない」
「あ〜そうですね、不慮の事故で亡くなるしかないか・・・」
「それに自殺なんかしたら即、地獄行きですからね、瑠奈さんとは永久に
会えなくなりますし・・・」
「え?そうなの?・・・自殺したら地獄行きなの?」
「そうですよ・・・自殺自体も罪ですからね・・・幽霊にもなれませんし
転生もできませんから・・・」
「じゃ〜ないさらじゃない・・・私、実体化がんばろ」
「ってことで、お邪魔しますのでよろしくお願いします、瑠奈さん」
ってことで、俺がいない間にそんなことになってるなんて・・・俺は知らんし・・・
しかも姉ちゃんがなんて言うか・・・居候が増えるとそれだけ家計に響くからな・・・って、そうか瑠奈も
かからないんだったわ。
そしてその夜・・・まあ俺はいいとして姉ちゃんを困らせることが起きたんだ。
とぅ〜び〜こんて乳。
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