第11話:浮気は無理だから・・・。

金曜日、俺は学校の屋上でオカルト女「望井手 美奈のぞいて みな」から

告られた。


「私、はるかくんと瑠奈が付き合う前から君のこと、好きだったの」

「だからね、よかったら、私と付き合ってほしいと思って・・・」


「まじで?」


「ダメかな・・・」


「いいけど・・・」


「ほんとに?」


「あっ、いや、いや、いや・・・うっかりオッケーするとこだったわ」

「あのさ、基本的に俺、浮気は無理だから・・・」


「浮気って?・・・もう誰か他に付き合ってる人いるの?」


「そんな子はいないけど、俺には瑠奈るながいるだろ・・・だから、

おまえと付き合ったりしたら浮気になっちゃうし・・・」


「何言ってんの?、遥くん、瑠奈、亡くなってるでしょ」


「ん?・・・あ!!・・・そうだった・・・忘れてた」


(マンションに帰ったら普通にいるからな・・・ついつい生きてるって勘違い

してたわ)


「そ・・・そう、そうだよ・・・」

「そのさ、亡くなった瑠奈のことが忘れられないって意味だよ・・・」

「瑠奈はまだ俺の中で生きてるからな」


「それにさ、瑠奈を亡くしてすぐに誰かと付き合うとか恋愛とか、そんな

浮かれた気持ちでいたら、俺の人間性疑われるだろ・・・」

「亡くなったとしても俺は瑠奈を裏切れないし・・・ってか俺、誰かから

告られても付き合うつもりないから・・・一生ないからな」

「可能性ゼロパーだから・・・」


「そう、そこまで言われたら、何も言えないね・・・私が諦めるしかないかな」

「分かった、ごめん・・・今言ったことは忘れて」

「悪かったね・・遥くん・・・でも瑠奈がうらやましい・・・亡くなっても

こんなに想われて・・・じゃ〜ね」


「亡くなった瑠奈のこと忘れらてないって、浮気できないって・・・私、

ますますはるか君のこと・・・あ、いい、ごねん」


そう言って望井手 美奈は屋上から降りて行った。


「・・・・」


「危なかった・・・」


「でもさ・・・自己嫌悪だよ・・・すまん望井手」

「俺、オカルトには興味ないんだわ・・・」

「それに幽霊でも生きてても、俺に瑠奈がいる限り浮気は許されないからな・・・」

「瑠奈を泣かすようなことできないし・・・」


「つうか今は瑠奈のほうが大事なんだ・・・」

「あいつの可愛さには誰が来たって勝てないよ・・・向かうところ敵なしだもんな」

「ちょっとドジでズレてるところを除いてはさ・・・」


「考えてみたら瑠奈が幽霊のまま現世にいる限り俺は一生恋愛できないんだよな」

「エッチはできないわ、他の女と恋愛できないわ・・・どうしたもんだろ?」


とぅ〜び〜こんて乳。


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