コロンブス騒動に見る感染症神話が必要とされる理由

偽猫ウール

第1話

 資本主義は搾取なしには成り立たない思想で、劣悪な労働環境や意図的な飢饉などで貧しい者たちからいかに富を搾り取れるかという非人道的な思考回路のもとで多くの犠牲者を出してきた。

 その歴史は意外と浅く、デカルトの「我思う、ゆえに我在り」という思想から生まれた。

 つまり資本主義が基づいているのは動植物や環境資源、あるいは人の体さえも労働力という名の機械のパーツに過ぎないからどう扱っても構わない、人の頭の中の意識がすべてという考え方なのだ。

 この考えのもとでコロンブスなどの開拓者が原住民から略奪を繰り返し富を奪い取ることで発展してきたのが資本主義なのである。


 当然、歴史を経るうちに多くの批判が起こることになるのだがせっかく集めた富を手放したくない資本家はとんでもないアイデアを考え付いた。


 つまり、全部ウイルスのせいにしてしまおうという策略だ。


 原住民が死んだのは目に見えないウイルスが引き起こす病気のせいで俺たちはたまたま体の中にそのウイルスを持っていて免疫のない原住民だけが死んでしまった、不幸な事故だったというわけだ。


 この嘘を正当化するためにせっかく集めた富のありったけを投資して事実とは異なるデータを捏造しまくりウイルス学なるものまで誕生し今日の人類はいまだかつてない、天動説もびっくりのトンデモ理論の上で手洗いうがいなどの文化的先進的とされる謎の宗教行為を一生懸命にやって昔の人に比べて頭がいいと思い込んでいるのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コロンブス騒動に見る感染症神話が必要とされる理由 偽猫ウール @gynaeco_wool

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る