第3話エントリーと夏季インターンシップ2

そして迎えたインターンシップ当日。俺は受付を済ませた後、係員に別室へと案内される。どうやら会議室のようだ。


「それでは、こちらのお部屋の、ご自身の受付番号が書かれたお席でしばらくお待ちください」


係員はそう告げると、すぐに部屋から出ていく。俺の座っている卓にはまだ誰もいないが、俺のほかにも多くのインターンシップ参加者の姿がある。俺の席の向かいには、受付番号が書かれた紙がおかれた席が2席ある。3人席のようだ。まわりも、見る限り3人席のようだ。3人組で何かするのだろうか。


「こちらの部屋の、ご自身の受付番号が書かれたお席でしばらくお待ちください」


そんなこととを考えていると、先ほどの係員が、新たに2人の参加者を連れてきたようだ。

2人は机上に置かれている受付番号が書かれた紙を確認しながらこちらへ近づいてくる。そして、俺の正面の席の番号を確認すると、荷物を足元に置き、2人とも俺の前の席に着いた。


「こんにちは。インターンシップの方ですよね?」


そのうちの一人が声を掛けてきた。


「はい。佐藤亮五と申します。今日はお互い頑張りましょう!」


「はい、頑張りましょう!!あ、こちらがまだ名乗っていませんでしたね。私は高見勇気たかみ ゆうき。こちら友人の番田創輝ばんだ そうきです。創輝も、私と同じくインターンシップ参加者です。今日はグループで頑張りましょう!!」


「番田創輝です。よろしくお願いします」


2人は友人関係のようだ。


ところで、今日はグループで頑張ろうと言っていたが、グループワークでもするのだろうか。

そんな話はどこにも書かれても説明されてもいなかった気がするが、一体どこでそれを知ったのだろう?


「ご存じなかったですか?この部屋の入口の張り紙に、グループワーク会場と書かれていましたよ?」

俺が不思議そうにしていると、その様子を見て高見さんが説明をしてくれた。


「そうなんですか。すっかり見逃していました。ありがとうございます」


そんな話をしていると、社員さんが会場のプロジェクターの前に立って、話始める。


「皆様お待たせいたしました。この度は、2日間のアリガKストアー本部 夏季インターンシップへのご参加誠にありがとうございます。2日間、案内はわたくし、練馬信也ねりま のぶやが担当させていただきます。よろしくお願いいたします。早速ではありますが、1日目、グループワークについて説明させていただきます。」


高見さんが言っていた通り、初日はグループでの活動となるようだ。


「今回、皆様には、各グループごとに、当社が販売している商品のプレゼンテーションをしていただきます。提示された商品の情報や特徴から、グループで、商品がより魅力的に見えるプレゼンテーションを行ってください。専用のタブレットを配布いたしますので、スライドも作成してください。90分後に発表を開始します。それでは、作業を開始してください」


そうして、各グループに、お題となる商品の特徴や情報が書かれた紙とタブレットが配られる。


「こちらが、この班のお題です。このタブレットを用いてスライドも作成してください。タブレットの操作がわからない場合は、係員をお呼びください。」


「ありがとうございます」


俺たちはタブレットと紙を受け取る。

俺はお題の紙を受け取った。


「佐藤さん、お題は何ですか?」


高見さんがそう尋ねてくる。

そして俺は、2人にお題を見せながら、嬉々として声をあげる。


「お題は、、、『焼き鳥』です!!」

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