リッチですわ

「ぶいぶい、ぶいぶい」


「何をほざいているのですか、サタナエラ?」


「アザゼラお姉さま、リッチですわ」


「それでぶいぶい言わしていたのですね」


「シェミーが思うに、口に出すバカがいたとはですわ」


「口に出すなら」


「やめれ~」


「まだ何も言ってませんが」


「目は口ほどにものを言う」


「口ほどにもない」


「ウツロ敗北」


「世間に負けましたか」


「いいえ、下半身に負けた」


「オリキャラけがしてどないすんねん」


「すなあ」


「リフレイン」


「ロマンティック」


「と・め・て!」


「朽木の魔物を?」


「うわ~」


「チャックを下ろすな」


「阿部さん」


「あ、ふ……」


「リアルすな!」


「久しぶりの下ネタ回ですね」


「というか毎回です」


「うずくのですね」


「二度目のフィニッシュだ。いや、三度目か」


「あちゃらの方が見たらクレームが来ます」


「んなもんこわくて表現ができるか」


「屁のつっぱりはいらんですよ」


「つっぱりんこ」


「もっと~」


「やめんか!」


「ウツロにでも打ってなさい」


「世界一ハードな思索をする世界一ドMな少年」


「朽木の精神の投影なんだぜ?」


「まさき~」


「びーでえるっ!」


「朽木め、そちゃらの気も」


「バーリ・トゥードならこいつがこわい!」


「マウントして~」


「もう、やめて!」


「なつかしの弁護士か」


「そういうふうに、おまえらが」


「この世の中を~」


「バカのインフレですね」


「社会の底辺です」


「コラ!」


「そんな生き方も、アリなんじゃな~い?」


「わたしたちのパ・ド・ドゥ」


「規格外にヤバい回ですね」


「いまさら? ねえ、いまさら?」


「ああ、チャックが勝手に」


「やらないか」


「あ、あ」


「もうやだ~」


「早めに終わっておきますか」


「何しててん?」


「それはね、おまえをね」


「終われ~!」


「せ~の」


「ほほほ、とほほ」


 かくして今回は伝説の黒歴史として、単行本には刻印されなかったのである。


(異形堂書店 刊)

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