第10話 ソース作りと魔物退治

 トマト、玉ねぎ、にんにく、薬草各種、塩胡椒、小さい鍋、瓶、水を入れる革袋(井戸水入り)、茶こし、パン、ソーセージ、スプーン、火打ち石。

 以上、買い物報告でした。

 お金を節約しなければと思っていたのに、色々と買ってしまった。

 まぁ、今後の食生活が改善できれば安いもの。


 それではケチャップ作りを……とその前に洗濯をしよう。

 皮袋から汚れた衣服を取り出し、川の中に入れる。

 ジャブジャブと水洗いしてから取り出し、泡立たない石鹸を擦りつけて手もみする。また水に入れて、石鹸を洗い落とす。取り出して、水気を切って、大きな石に干していく。

 こんな天気の良い日なら簡単に乾くだろう。

 それにしても、洗濯をしただけで息が上がる。

 近くの井戸で洗濯をする為に持ってきたが、井戸で洗わなくてよかった。

 はぁはぁ言いながら洗濯をしていたら、井戸端会議の奥さんに不審者扱いされてしまう所だった。


 では、息も整ったしケチャップ作りを……とその前に火を作りましょう。

 川辺の石を組み立ててコの字型の簡易の竈を作り、良く乾いた大小様々な木を集めてきた。

 そして、取り出したるは火打ち石とおまけで貰ったボロボロの麻布の切れ端。

 店員に教えてもらったように、まずは麻布をほどいていく。綿屑のように細くほぐれたら、火打ち石と一緒に持つ。これでドッグタグのような金属片の火打ち金で叩けば、火種が麻布に燃え移るはずだ。


 ガツ、ガツ、ガツ……全然、火が付かない。


 ガツ、ガツ、ガツ……やっぱり、付かない。


 ガツ、ガツ、……痛っ!?


「~~~ッ!?」


 痛みで悶絶する。

 火打ち金の狙いがズレて、指にぶつけてしまった。

 店員は三回打っただけで火種を作ったのに、私は何回やっても駄目。

 角度が悪いのかな? それとも麻布の位置が悪いのか?

 麻布の位置を整え、先端部分で叩いてみる。


 ガッ……ガッ……ガァ……


 おお、麻布の先端が赤く燃え始めた。

 火が消えないように優しく竈の底へ置き、ゆっくりと細い木を重ね、火を移していく。

 細い木から徐々に大きい木へと積んでいき、ようやく煙と共に立派な火が燃え上がった。


 ふー、満足満足。


 ゴマ粒のような小さな種火からここまで立派な火を育てた事で私の心は満たされた。もう、このまま帰ろうかな。

 それにして、インドア一筋の私がアウトドアをしているなんて、人生は何が起きるか分からない。


 ようやく、ケチャップ作りに取り掛かれる。

 まずは、食材の準備。

 野菜を切りましょう……と思ったらまな板を買うのを忘れていた。

 どうしようかと周りを見ると平べったい石があったので、それを水洗いして使った。

 ニンニクを一欠と玉ねぎの半玉をナイフでみじん切り。石の上だから上手く切れないが、どうせ煮込むから適当でいい。

 次にトマト。茹でてから皮を剥こうかと思ったが面倒臭いので皮ごと角切りにした。試しに一口齧ってみたら、青臭いうえに凄く酸っぱかった。未熟なミニトマトみたいだ。

 続きまして、買ったばかりの小さい鍋を水洗いしてから、竈から落ちないように火にかけた。

 脂も買うのを忘れたので、そのままニンニクと玉ねぎを投入。

 ジュウジュウと香ばしい音を聞きながら、スプーンでかき混ぜていく。

 脂を引いていないので、底に焦げ付く前にトマトを投入。

 ローリエっぽい薬草を一枚入れて、水の入った革袋から水増しする。

 火の勢いが強いので、燃えている太い木を退かして、弱火で煮込んでいく。

 時たまスプーンでかき回しながら、ナイフやまな板代わりの石を洗ったり、洗濯した洋服を裏返したりと時間を潰す。

 最後に塩胡椒で味を整え、ハーブ代わりの薬草をパラパラと入れてから竈から下した。

 

 自家製ケチャップが完成!


 一口味見。

 うん、これはケチャップじゃない。


 途中から気付いていたけど、これトマトソースだ。

 酸味の強いトマトソースが完成しました。

 そもそもケチャップってどうやって作るんだ?

 作り方はほぼ同じだと思うけど、材料が足りない気がする。

 まぁ、トマトソースでも問題ないから良いけどね。


 気を取り直して、マグカップのような小さな鍋を取り出し、水洗いしてから竈へ設置。

 皮袋から水を注いでお湯を作る。

 水が沸くまで、茶こしに紅茶っぽい薬草を詰めていく。

 コポコポと水が沸いたので、茶こしをセットし茶葉を馴染ませていく。

 赤茶色に浸透したお茶は、紛れもなく紅茶。

 試しに一口すする。

 鼻を突き抜ける清涼感。ミントのような刺激が鼻を襲い、くしゃみと鼻水が出てくる。もう少し薄めれば、普通に飲めそうだ。

 味の濃い料理に合いそうなこのお茶をミント茶と名付けた。

 そのまんまだね。


 薄めたミント茶を竈から退けて、パンとソーセージを火で炙る。

 程よく温まったパンにソーセージを乗せて、先程作ったトマトソースを掛けた。

 ホットドックの完成である。

 本日の昼食は、ホットドックとミント茶です。

 優しく包み込む温かい日差しの下、鳥のさえずりのような静かに流れる川の音を聞きながら食事をする。

 硬いパンもボソボソのソーセージもトマトソースがあるだけで、味が一段と美味しくなった。

 ミント茶も慣れれば美味しい。

 私は平和な一時を過ごした。


 硬いパンをガシガシとかみ砕いたので顎が痛い。

 洗濯物はまだ乾いていないので、斧の練習をしよう。

 顎を擦りながら土手へと戻る。


 草が生い茂る草原で準備運動を行う。

「一、ニ、一、ニ……」とラジオ体操を思い出しながら体を動かす。

 続いて、ストレッチ。腕、足、腰、と思いつくストレッチで体を伸ばしていく。

 それだけでヘロヘロになってしまった。


 息を整え、斧を両手で持ち、上段から振り下ろす。

 態勢とか力の入れ方とか適当で、上から下へ素振りをする事二十回、腕が上がらなくなった。

 腕の筋肉をほぐしてから、今度は横へと素振りをする。これは十回で限界だった。

 手の平を見ると豆が出来ていて、ジンジンと痛む。

 剣士とか目指す人は豆が潰れて、皮が剥がれても振り続けるのだろう。

 私はそこまで根性はない。

 そもそも武器の扱い云々よりも体力と筋力が絶望的にない。

 武器の練習の前に基礎体力を上げなければ、満足に武器を振る事すら出来ないでいた。

 私、冒険者に成れるのだろうか?


 次は投擲の練習だ。

 手斧だから投げても良いだろう。

 近くに丸太があったので、それを立て掛け、的にする。

 丸太から十歩ほど離れ、斧を掲げ、的に向けて放つ。

 クルクルと回る斧は、的には当たらず、地面に落ちていた岩にぶつかった。

 ガツンと鈍い音が鳴り響く。


「ああ、買ったばかりなのに!?」


 急いて手斧を拾うと、刃こぼれをさせてしまった。

 これでは、上達する前に手斧がおしゃかである。


「はぁー……」

「おじさん、何しているの?」


 私が溜息を漏らしていると、後ろから幼い声が聞こえた。

 振り向くと子供たちがいた。男の子三人、女の子一人の四人組。川で遊んでいた子供たちだろう。


「訓練をしているんだ。斧を振るから近づいちゃ駄目だよ」


「ふーん」と言って、子供たちは私から離れようとしない。どこかに行く気はないようだ。

 邪険にするのも悪いので、子供たちが見つめている中、私は手斧を持って素振りを始める。

 上段に構えて下す。

 一回、二回……十回で限界。

 子供たちが見ているので、力強く、素早く、息つく暇なく、かっこよく素振りをしていたら、腕の筋肉が痙攣けいれんしだした。

 ああ、凄くやりにくい。

 すぐにバテるので恥ずかしい。


 手斧を地面に置き、痙攣した筋肉を揉んでいると、前方の草がガサガサとなびいた。

 兎でもいるのかと思い、草陰を観察していると寒天のような球体の塊がウネウネと出てきた。

 それは透明な緑色でプルプル震えている。

 太陽の光が表面を反射して少し綺麗だ。


 さすが異世界、クラゲが陸上を動いている。と思ったが、すぐに考えを改める。


 違う!?

 これはゲームで一、二を争う有名なモンスター。


 スライムだ!


 草原とはいえ、なぜこんな街の中で魔物が? スライムだから外壁の隙間から侵入したのか?

 スライムという魔物は、最弱であり最強。

 ある有名ゲームの所為で最弱モンスターとして有名だが、作品によっては最強クラス。

 スライムによっては、触っただけで溶かされる酸性スライム、石や鉄と同じ強度を持つ金属スライム、粘着性が強く触ったら剥がれない粘着スライム、巨大なスライムになるとダメージが通らず、体の中に閉じ込められ溺れて死ぬぐらいだ。

 アメーバのように単純構造の為、環境によって多種多様に変化する魔物である。

 スライムの中には、ゲル状の粘液型スライムだっている。

 ゲル状の為、隙間や地面に潜りこんだりして奇襲されると厄介だ。シャワーを浴びてると、蛇口からゴカイのようにスライムが滴ってきたりするかもしれない。弱点である核の位置も分かりにくいので、宇宙からの不明物体のように、凍らせて壊した方がいい。ただ、今の私にはそんな手段、持ち合わせていない。

 ただ、有り難い事に目の前のスライムは、水風船のような形をした固形型。体の中で浮き沈みしている核が簡単に確認できた。 


「君たち、魔物だ。絶対に近くに来たら駄目だぞ!」


 子供たちを後ろへ下がらせると、私はスライムの前に躍り出る。

 この世界のスライムが、最弱の魔物か、最強の魔物か、どちらに分類されているかが問題だ。

 強いか弱いか確かめる為に、疲れた腕で手斧を構えて、スライムに近づいてみる。

 プルプルと震えるスライム。

 一歩一歩、ゆっくりと近づく私。

 手斧を振り下ろせば当たる距離まで近づいた時、スライムの動きが止まった。

 やばい! と思った瞬間、スライムは鏡餅のように潰れると、私の方へ飛び掛かってきた。

 心の準備が出来ていなかった私の肩口にスライムがぶつかった。


「うぐっ!」


 痛みで涙が出る。

 水風船のような姿なのに、ソフトボールがぶつかったような衝撃だった。

 今ので確信する。

 あのジャンプ力、攻撃力、弱そうな姿に擬態する形。


 この世界のスライムは最強クラスだ!


 私はまだ冒険者ではない。逃げても文句は言われないだろう。

 だが、後ろには子供たちがいる。彼らと一緒に逃げるか?


「危険な魔物だ。私が引き付けているから、君たちは早く逃げなさい!」


 私は逃げない。

 冒険者では無いけど、これから冒険者に成るのだ。

 冒険者は、魔物討伐のスペシャリスト。

 子供たちが無事に逃げる時間ぐらい稼いでやる。

 そんな決死の覚悟なのに、子供たちは身動き一つしないで私を見詰めていた。

 怖くて動けないの!?


「何してるの!? 早く……」


 子供たちに叱咤しったしようと声を張り上げると、周りの草が動き出す。


 ガサガサガサ……。


「まさか……」


 嫌な予感は現実へと変わる。

 新たに三体のスライムが草陰から現れ、合計四体のスライムに私は囲まれてしまった。

 それも一体はボウリング玉のような大きさである。

 青褪める私は痛む体に鞭を打って、手斧を構える。


「早く、行って! ギルドで冒険者を呼んできて!」


 子供たちに叫ぶが、一向に動く気配はない。

「ちっ」と舌打ちした私は、手近のスライムに手斧を振り下ろす。

 スススッとスライムに避けられた手斧は、地面を打ち付けてしまう。


「痛ッ!」


 別のスライムが私の背後を襲った。

 背中に痛みが走り、前方に倒れる。

 息が漏れて苦しい。

 目の前のスライムが鏡餅状態になるのが目に入った。

 急いで横に転がり、スライムの突撃を回避する。

 ゴロゴロと転がって止まったら、目と鼻の先に別のスライムがいた。

 スライムが突撃態勢になる。

 すぐに倒れたまま後退するが、間に合わない。

 この体制では顔面直撃だ。

 


 ―――― 横に振って ――――



「ッ!?」

 

 右手に握っている手斧を無造作に横薙ぎする。

 目の前に突撃してきたスライムの体に手斧の刃先が当たり、両断した。


 良し、一匹仕留めた!


 私は立ち上がり、両断したスライムを見る。

 核がある胴体がウネウネと動き、切られた胴体へ移動する。そして、トプンッと別れていた胴体が元の一体へと戻ってしまった。

 どうやら、核を破壊しない限り、すぐに元に戻ってしまうようだ。

 ただ、今までの攻撃でパターンは読めた。

 スライムは跳躍する前に鏡餅のように潰れて、戻る勢いで突撃する。飛ぶ方向は直線のみ。

 これなら、避けるのは簡単だ。


「君たち、いい加減に逃げなさい! そこ、鼻をほじるな!」


 再度、子供たちに向かって叫ぶが言う事を聞かない。

 これだから子供は!


 一匹のスライムが鏡餅状態になった。

 私は冷静に観察して、突撃してきたスライムを横へかわす。

 別のスライムも飛んできたので、冷静に横へ躱す。

 なぜかボウリング玉サイズのスライムはプルプルと震えているだけで襲ってこない。

 スライム達も慣れてきて、どんどん速度が上がっていく。

 スッ、スッ、スッ、と躱していくが、決め手がない。

 疲労が濃く、体が重くて避けた後に反撃する事が出来ない。


 ヤバイ!?


 二体同時に飛んできた。

 私は大きく横に飛んで回避したが、疲労が溜まっていた所為でバランスが崩れた。


 なっ、時間差攻撃!? 

 

 崩れた体に向けて、別のスライムが飛んできた。


「痛ッ! すねは駄目だろ……」


 足の脛にぶつかったスライムが地面をコロコロと転がる。


 恐ろしい、何て恐ろしい魔物なんだろう。


 同時攻撃からの時間差攻撃までしてきた。スライムも馬鹿では無い様だ。

 上体を起こすと同時にお腹に衝撃が襲う。


「がはっ!?」


 今まで動かなかったボウリング玉サイズのスライムが、タイミングを狙っていたかのように私のお腹を直撃した。

 お腹に激痛が走る。肺から酸素が無くなり、息が出来ない。

 頭が一瞬真っ白になり、衝撃と共に後ろへ倒れてしまった。

 地面に倒れる寸前、地面と背中の間に柔らかいボールようなものが挟まる。そして、ある程度押すと水風船が破裂するように潰れた。

 そのおかげで、地面の衝突は痛くなかった。

 何を押し潰したのかが気になり、痛むお腹に手を当てながら地面を見た。

 嘔吐物のようにゲル状の肉片をまき散らしたスライムだった。


 あー、私の背中もスライム汁で酷い事になっているんだろうな。


 痛みでクラクラする頭と体を何とか起こし、スライムから距離を取る。

 足が震えているが、呼吸の方は落ち着いてきた。

 まだ、動ける。

 ようやく対処法が分かったのだ。

 完全勝利で終わらせてやる。


「君たち、しっかりと見てて! お姉……おじさんが、凶悪の魔物を退治してやるからね!」


 どうせ逃げろと言っても逃げないんだ。

 それなら私の鼓舞こぶに付き合え。

 

 近くにいるスライムに近づく。

 斧を振って挑発してみる。

 案の定、鏡餅スタイルになったスライムが飛び込んできた。

 私は横に躱し、空を飛んでいるスライムを冷静に眺める。

 手斧の握り位置を変えると、地面に着地したスライム目掛けて上から振り落とした。

 面積の広い刃の横で叩きつけたスライムは、振り下ろす力と手斧の重さでブチュっと潰れた。

 手斧の隙間からスライムの破片が飛び散るのを見て、ニヤリと笑う。


 上手くいった!

 

 この体の身体能力で核ごと斬ろうとするからダメなんだ。

 核と一緒に体全体を潰してしまえば簡単だ。


 目の端にスライムの姿が見えた。


「おっと!」


 スライムが飛び込んできたので急いで躱す。

 同じように手斧を持ち上げてから振り下ろす。

 スライムにぶつかった手斧は、弾力で弾き返された。


 しまった!? 余裕こいて、雑に振り落としてしまった。


 「ふぅー」と深呼吸してから手斧を構え直す。

 学習能力があるのかないのか、スライムのワンパターン攻撃が来たので、冷静に躱してから両手で手斧を持ち上げて、力いっぱい叩き潰した。

 これで残りはボウリングサイズのスライムのみ。

 

 さすがにボウリングサイズのスライムを手斧で叩き潰すにはサイズが大きい。

 私は野球のバッターのように手斧を構える。

 器用貧乏の私だ。

 腕力や体力が無くても、スライム弾ぐらいヒットを飛ばしてやる。

 そして、プルプルと震えるスライムに近づく。

 スライムの動きが止まった。

 私は手斧の柄を強く握り締める。

 スライムが体を潰して、力を溜める。

 私はゆっくりと息を吐く。

 スライムが力を解放し、私目掛けて飛び出した。

 私は少し横にずれて、スライムの位置をストライクゾーンにする。

 そして、瞬き一つせず、ありったけの力で手斧を振り切った。


「うりゃぁぁーーっ!」


 突撃してきたスライムに手斧が押し返されそうになったが、歯を食いしばり、スライムごと振り切った。

 押し返したスライムは、私の前方へ飛んでいき、地面に落ちていた岩にぶつかり飛散した。

 ちなみに、手斧も手から離れて明後日の方向へ飛んで行ってしまった。

 

 私は手斧を回収する前に、飛散したスライムの状況を確認する。

 スライムはまだ生きていた。

 核は壊れていなかったので無事だったみたいだ。

 ただ、そのサイズは元の十分の一にまで小さくなっている。


「君の攻撃、凄く痛かった。今もジンジンと痛むよ。でも、安心して。すぐに仲間の元へ連れて行ってあげるね」


 ニヤリと冷徹な微笑みがこぼれる。

 私の感情が伝わったのが、スライムが地面を擦りながら逃げていく。

 だが、十分の一のサイズになったせいか、速度は遅い。

 遅いとはいっても、手斧を探す時間はない。

 そこで大きめの石を両手で掴む。

 体中が痛み、筋肉が疲弊しきっているが、歯を食いしばりながら石を持ち上げた。

 そして、逃げていくスライム目掛けて……


「スマイル、ユー、サノバビッチ!」


 ……と有名なセリフを呟くと石を投げ捨てた。



 私は手で埃を払い、スライムを潰した石へ腰を落とす。

 これにて一件落着。

 私は、子供たちに向かって親指を突き上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る