第4話 決断
そんなこんなで毎日誰かを襲いお金を集め、リサへ渡す。可もなく不可もないような生活をもう10年近く送っていたのだが、やはりここはスラム地区。
やはり問屋はそう簡単におろしてはくれないようです。
集金を終え、ゲッタンとアジトへ戻ると
「カイ!大変なのよ」
黒髪のロングヘアーを揺らしながらこっちへ来るのは、今では俺の彼女となったリサである。
「ん?どうしたリサ」
「カイくぅぅんゴオラが!ゴオラが!」
ガン泣きしているモネを横目にリサへ目配せし事情を話せと伝える。
「順に話すわ。さっきゴオラの相棒が血だらけで戻ってきてゴオラがアーリマン会に連れてかれたと言ったわ」
「まじかよ。」
アーリマン会とは、このグレムリン帝国の帝都グレムリンにてNo.1を誇るヤクザ組織である。近年、資金繰りに困っており周辺のチームにも手を出していると聞いていだがまさかうちにまで来るとは。
そう。今では、俺らは”鬼道隊”と名乗り盗みや仕事を貰ってはお金を集めていた。
そして何故かそのリーダーを俺がやらされている。
そこへサブリーダーのドータがやってくる。
「カイ、今ゴオラの相方に話を聞いてきたが、急にアーリマンのヤツらに絡まれて喧嘩になってゴオラが相方を庇ったらしい。それでゴオラだけ連れてかれたみたいだ。どうするカイ」
俺は今必死に考えていた。
助けてはやりたいが相手が相手だ。
「カイ。。」「カイくん。」
リサもモネもどーしたらいいか分からないみたいだ。
くっそ。俺にもっと力があれば、、。
くっそ。仕方がない。
「分かった。みんなを呼んでくれ」
そう言うとドータだけが動き始めた。
「カイ!みんな集めたぞ」
よし!覚悟は決めた!
「みんなに話さなければならないことがある。知ってるやつもいるかもしれないが、ゴオラがアーリマンに攫われた。そして、俺は今からゴオラを助けに行こうと思う。」
「流石にムリだよ!カイ」
「そうだぜ!相手はアーリマンなんだろ?」
「死んじまうよ」
みんなそう言う。そうだよな、普通そうだよな。けどな。
「死ぬかもな。だからと言って今まで同じ釜の飯を食ってきた仲間を俺は見捨てられねえ。かと言ってゴオラをアーリマンから助けた後スラム地区でおそらく俺らはやっていけねえ。だから俺らの力を持ってゴオラを助けそのままアーリマンに降ろうと思う。」
「「「!!」」」
「それをみんなに提案したい。出来ればみんなに着いてきて欲しいが、無理にとは言わない。生憎ゆっくり考える時間は与えられないからすぐ決めてくれ!」
ーーーーーーーー
「ここでいいのか?ドータ」
「あぁ間違いない。ゴオラの相棒のカクルドがアジトに戻る前にゴオラが連れていかれた場所まで着いてきて確認してるから。」
「分かった。それじゃいいか?」
結局着いてきてくれたのは、ドータ、ゲッタン、ロキ、カクルド、リサ、モネだけだった。
仕方の無いとこさ相手がアーリマンだもんな。
ちなみに、リサとモネは戦闘能力がないためアジトで待ってもらっている。
「よし。じゃあ行くか」
ゴオラがいるとされる建物のドアを蹴り飛ばす。
「何だこのクソガキども」
「仲間を助けに来たんだ。大人しく渡してもらえると助けるなあ」
「あ〜あいつの仲間ね。着いてこい」
あれ。あれあれあれ。てっきり入った瞬間にボコボコにされると思ってたから俺も含めみんなぽかんって顔してるよ。
「連れてきやした。アニキ」
「おぅ」
アニキ呼ばれた男は奥の席に足を組んで座っていた。そして、その横に血だらけのゴオラ。
「やぁやぁカイくんよ。」
「なんで俺の名前知ってんだよ」
「んー君口の利き方がなってないね」
アニキの男が顔をクイってやった瞬間周りにいた奴らが一気に襲ってきた。
ものの5分でボコボコにやられた。
「よし!これで話がしやすくなったねカイくん」
「うっぷ、てめえは誰だ?」
「んーそこまでやられてまだその口の聞き方か。中々タフだね君。俺はリオ。アーリマン会で本部理事やってるんだけどよ。てめぇんところの女寄越せよ!結構いんだろ?売れば金になるよな」
「それは出来ない。」
「んだと、やれ!」
更に俺は殴られた。
「さて、もう一度聞こーか。寄越せ」
「無理だ」
更に殴られた。
そんなことを数回繰り返し、
「ん〜タフだね。嫌いじゃないよ。君みたいなやつ!なら何が欲しい?金か?」
「違う。俺はあんたらと敵対したい訳じゃない。正直俺らも抱える人数が多くなってキツかったんだ。だから俺らはあんたらの下につこうとしてたのさ。」
「おめーらみたいなやつら要らねーんだけど。まぁ、お前さんにはちと興味が湧いたな!おい、誰かエンジンのアニキんところ行ってこい。話通してこい。じゃあとりあえずカイくんさ俺と本部行こーか」
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