第44話 俺ニート、Sの件をアリスに聞いてみた

まあその疑問も後で一緒に聞くとして、


今は風呂だ。


体は動いていないが頭は使った。


だから風呂に入る権利がある。


みたいに勝手に肯定して、生活していく日々。




そして風呂が終わって着替えが終わる頃に、




「夕食の準備ができました!」




という声がかかる。もはや主婦である。




そして夕食はさすがにパンではない。


パンしか出ないのは朝だけだ。


そして今日の夕食は焼いた鮭、あとシュウマイ。




「いただきます。あとアリスさん聞きたいことがあるんですけどいいですか?」




「はい。何でしょうか?」




「アリスさんの知り合いに、Sから始まる苗字・名前の人はいませんか?」




「プライベートな付き合いについてはお答えできませんが、私達が務めているリバーサル社の中には、スピアルさんだけですね」




「なるほど……ではスピアルさんはどんな人か教えてもらえませんか?」




「スピアルさんのことですか?なぜ知りたいのでしょう?そもそもなぜその名前を?」




「……?」




「担当者の名前については、ホームページには一切記載していません。プライバシー保護などが理由でですね。なのでなぜ淳一さんがその名前を知っているのかがわからないのです」




(…………)




そういえばそうだな。アリスからしたらそれは恐怖でしかないだろう。


ここは素直にLIMEでやり取りしていることを伝えておくか。




「確かに……そういえばまだ言ってませんでしたね。実はネットにて同じようにハローニートと契約してゲームをしている人がいまして、その人とやり取りをしているのですが、その時に相手の担当者の名前も知った感じですね」




「そうだったんですね!だから知っていたと……」




「そういうことですね。そしてスピアル以外にはSがつく苗字・名前はいない。これは間違いないですか?」




「あっそういえば……」




「……?」




「他の利用者様、つまり他のハローニート契約者の名前については、プライバシー保護につき教えることができません。Sがついているかどうかも」




うーんここがわかれば結構前進すると思ったんだけどな。


案外プライバシー保護の壁は硬いや。




「そういえば、なぜ急にSのことを知りたいと思ったのですか?」




「ああ、それについても説明しますね」




俺はひかりに説明したのと同じように、アリスにも説明した。


すると……




「こっ、この度はうちの職員がご迷惑をおかけしました……本当にすみません」




アリスが土下座して、俺に謝罪をしてきた。




「アリスさんが謝ることはないですよ」




謝るのは本人だけで十分。


まあ本人はもう顔を見ることはないと思うがな。




「その……何かお詫びをしたいのですが……」




(…………)




「できる範囲でさせてください!プライバシー関連と規約違反以外のことであれば!」

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