第43話 俺ニート、アリスの労働に疑問を抱く

「NONNON!ちょっと待ちなよ♪」




「……?」




「What's your name?」




「……はい?」




「名前だよ名前。レダ君だけ名乗ってないよね?」




「ああ……確かにそうだった。俺の名前は三上淳一、俺自身もSに該当していない名前だ」




「そっかーやはり単純に名前だけで考えると、Sはスピアルしかないないね。一応僕の友達にはSがつく名前の人はいるけど、今回の件とは無関係だと思うよ」




「そう……か」




「名前教えてくれてありがと、それじゃあ今度こそまたね」




(…………)




とりあえずスピアルに明日会えるようになったのは大きな進展だ。


だがせっかくだ。残り2人にも聞いてみようと思う。




まずはひかりだな。と言っても今は仕事中だから。18時ぐらいにLIMEしてみよう。




そして時は流れ18時。




「おっす!、ひかり。聞きたいことあるんだけどいい?」




「やっほー、聞きたいことって何?」




「ひかりの知り合いにSがつく苗字・名前の人っている?」




「うーん……友達とか家族には、Sの人はいないかな……」




「そっか……」




案外いないものなんだな。Sって。




「そのSの人がどうかしたの?」




「いや……なんでもない!それより今日の仕事どうだった?」




「今日はね……」




その後他愛ないいつもの話をした。


あと混乱を招くため、俺の所に死んでくださいと願った執事風のリバーサル社の人。


名付けて『デスバトラー』の件は黙っておくことにした。




さてそうなると……残りはアリスだけか。


でもアリスはどこまで話してくれるだろう?


企業秘密!とかで隠されて、全然聞き出せないかもしれない。


アリスは間違いなくスピアルの全てを知っている。


ここは話術でどこまで引き出せるか。腕の見せ所だな。




「ただいまです!淳一さん」




噂をすればなんとやら。




「おかえりです」




「すぐに夕食とお風呂の準備をしますね~」




「あの……少しお話が……」




「すみません……先に準備をさせてもらえませんか?」




「ああ……わかりました」




まあアリスは仕事できているんだ。仕事優先なのは仕方ない……


……もしかして俺の話が長くなると感じたのだろうか?


まあとりあえず、準備ができるまでゲームでもして待つことにした。




「お風呂湧いたので、入ってください!」




こうして俺は風呂へと向かった。


……そういえばアリスは、ここで風呂に入っていないということは。


きっと自宅で入っているだろうけど、それっていつなんだろう?


……そもそもアリスは……いつ休みを取るんだろう?


なんだかんだ言ってかなりの日数が経過しているのに、


アリスは一度も仕事を休んでいない。


労働基準法に違反してないんだろうか?

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