第7章 絶望の夜明けこそ道は開く

第45話 俺ニート、謎の強烈な敵意を受ける

「お気持ちだけでいいですよ!もしなんでもOKになってしまったら、リバーサル社のことをもっと聞き出そうとしていたかもしれません。でもそれができないのなら、お気持ちを対価として受け取っておきます」




「……そうですか……わかりました!」




リバーサル社の情報……どうやって聞き出せばいいんだ?




「あっそういえば、まだ質問に答えていませんでしたね」




「……?」




「スピアルさんのことですが、やや大人しめという感じでしょうか……自分に自信があまりない方……と言う風に私は思っています」




「ということは失礼ですが、あまりお仕事の腕と言うのは……?」




「いえ、しっかりとやっていますよ。でもあまり明るくわいわいにぎやかという感じではないかと思います」




まあそういう男がいてもおかしくはないか。




ひとまずこれ以上は聞き出せそうにない……リバーサル社の情報を知るのは簡単ではない。


そう思いながら、ご飯を噛み締めた。




「ごちそうさまでした」




ひとまず今日はこれ以上は進まないだろう。


これ以上はあまり考えずに、今日の戦いに備えよう。


そう思っていつも通り過ごし、22時を迎えた。




「さあ今日も頑張って勝ちましょうね!」




「そうですね」




「ああああああああああああああああああああああああ!」




(……!?)




「お前を絶対に許さない!」




(……!?!?)




戦いの前に突然放たれた怒号。


もちろんこいつの知り合いではない。




「なっなんだ……?俺が何かしたのか?」




訳も分からず一度相手に質問をする。




「なんてやつだ……僕のことを覚えていないなんて!最低だ!」




だめだ……一体何が起きているのかわからない。


何をそんなに怒っている?




「忘れているのは悪かった。良ければ教えてくれないかな?」




「俺の大切なものを奪ったお前が忘れるなんて絶対おかしい!サイコパスだ!」




「どうかお願いだ。何をしたか教えてほしい。俺は君をからかっているわけじゃない。本当にわからないんだ」




相手は数秒止まったのちに、話し始めた。




「お前が……僕の母さんの命を奪ったんだ!!!」




(……!?)




「そんなはずはない!俺は君の母の顔を見たことすらないんだ!」




「うるさい!顔を見ていなくても母の命を奪ったのはお前なんだ!」




「待て!何かの間違いだ!それに俺と君は初対面なはずだぞ」




「違う!僕は一度お前と戦っている!そして俺は負けた!」




(…………)




いちいち戦った相手の顔なんて完璧に覚えることはできない。


うっすらとしか記憶に残らないのだ。


この子がいたかどうか……?それを覚えてはいない。




「話は終わりだ!母の仇を取ってやる!お前の命を奪ってな!」

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