第41話 俺ニート、スピアルの聞き込みを開始する

「聞きたいことはある。でもその前に、君のことは何と呼べばいい?前に俺のニックネームを言ったけど、君のは聞いていなかったから」




「ああ確かにこりゃ失敬。名乗ってなかったね。僕のことはジョナサンでいいよ」




「わかった」




まあ相手のLIME表示名もジョナサンなんだけどな。


でもほら、たまにLIME表示名と別の名前で呼んでほしいっていう人がいるからな。


……ちなみに俺のLIME表示名は、『瞬』。


なんでこんな名前にしたんだろうな。もう忘れてしまった。




「それでレダ君。僕に何の用かな?」




「ジョナサンはリバーサル社のゲームに参加しているんだよな?」




「もちろん、前からそう言っているね」




「それで前にスピアルっていう名前出してたと思うけど、スピアルってジョナサンの担当者?」




「そうだよーん!とってもかわいい女の子なんだぁ」




「まあ俺も女の人が担当者だから、気持ちはわかる」




「リバーサル社の担当者、結構かわいいよね。僕も美しいと感じているよ」




女の子の可愛さトークはともかく、


やはりジョナサンの担当者はスピアルだった。




「ちなみにスピアルって外面のことはわかったけど、内面はどうなんだ?」




「大人しくて家事をてきぱき頑張るいい子だよ。このいい子さは最近失われているから貴重だぞ♪」




「そのスピアルは、誰かを恨んでいたりする?」




「特に何も言ってないからわからない。ってかわかっていても話してくれないと思う。プライバシーとかあるからなぁリバーサル社がね」




’(…………)




まあただの10chで知り合った人だから、これぐらい情報を聞き出せれば十分か。


俺に少しでも情報をくれただけありがたいことだ。




「最後にジョナサンの本名が知りたい」




「えぇ!?ちょっとレダ君。強引だね~そんなに僕のことが知りたいのかな?」




「まあそのなんだ……ちょっと知らなければならない理由ができてな」




「じゃあその理由を教えてくれたら答えるよ。ほら情報って一方的に与えるだけじゃ人間的にあんまりよくないと思うな~だから教えて」




「実は……俺の所にペリーという人が来て、俺に死ぬように言ってきた。俺はきつめに言って追い返したんだけど、そのときメモを落としたみたいで、そのメモによるとペリーに依頼したのは頭文字Sから始まる人なんだ。だからジョナサンの名前がSが付くかどうかが知りたい」




「そうなんだ、僕はペリーとかいう人に会ったことないからわからないけど、恨まれているなんて怖いねー。まあ教えてくれたお礼に名前を言うよ」




(…………)




「僕は村上 大地むらかみ だいち……まあこれを知ったからなんだっていう話だけどね。Sもついてないからね♪」




(…………)




やはり狙いはスピアル一本に絞って良さそうだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る