第40話 俺ニート、訪問者のメモに驚愕する

俺はペリーのせいでイライラしていた。


強めに言ったからもう来ないとは思うけど……




しかしあれだな、なんで死んでほしいかという理由だけは聞いておくべきだったかもしれないな。




……まあもう気にしなくてもいいか。




(……ん?)




足元をよく見てみると、1枚の紙が落ちていた。


ペリーが落とした紙だろうか?


俺は早速その紙を拾って、内容を確かめることにした。




『依頼者メモ』




紙の一番上にはそう書いてあった。


俺はそのまま下の文章を読んでみることにした。




『依頼者S氏との相談の末、淳一氏に自主的な死をお願いする。ただし長く抵抗したり、暴力といった命の危険がある場合は撤退すべし、目的を果たせなかった場合は、後日改めて訪問。なお私自ら殺害するのはなし』




(…………)




なっなんだこれは……


俺は思わず無言で驚いてしまった。




これはつまり『誰かがペリーに自殺依頼をお願いした』ということになる。


ということは……俺はそのSとかいうやつに恨まれているのか?




ということは、Sとは何らかの形で一度会ったことがあるということだ。


そしてその時に何らかの原因によって、相手に殺意を持たれた。


だが淳一に直接手を下せないので、ペリーもといリバーサル社を使った。


そういうことなんだろう。




だが問題は、Sが誰かについてだ。


三上家にはSがつく名前の人はいない。


俺『三上淳一』母『三上恵』父『三上權太ごんた』


その他かかわりがある人、


『アリス』そして幼馴染『南ひかり』


やはり頭文字にSがつく苗字、名前の人はいない。




……!いや待て!そういえばSがつく名前の人が一人いるではないか!


……『スピアル』


あの10chで知り合って、LIME交換した人が言ってたな。スピアルって。


あの人の言い方的に、スピアルは恐らくリバーサル社側の人間。


つまりペリーに依頼をすることぐらい容易い!




……だがあくまでもSが一致しているだけの話。


結局俺とスピアルには接点がない。


では10chの人がスピアルに依頼した……?なんのために?


それにあの人は俺の本名や住所を知るわけがない。




だがなんにせよ、ここはあの人に再びLIMEでやり取りをする必要がありそうだ。




「やぁ、リバーサル社のことで話がしたいんだけどいい?」




とりあえずメッセージを送っておいた。


返信を待つこと10分。




「お久しぶりだねレダ君。また僕のことを頼ってくれるのかい?」




(…………)




全然関係ないけどなんだこの陽キャ感。


こんだけ陽キャならニートになんてならないのでは……?


コミュ力と笑顔を活かした職場で働けそうな気がするのに……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る