第14話 俺ニート、朝のニュースを見る
「多少少なくなりましたけど、それでも結構稼いだと思いますよ!換金によって最低賃金以下になりましたけど、労働していないわけですから」
そうだ。この人の言う通りだ。
手数料がなんだ!多少減っちゃったけどお金を手に入れた事実はある。
紛れもない本物のお金だ。
「大丈夫ですよ。報酬ありがとうございます」
前向きに行こう。今日も勝てばまたもらえるのだから。
っと考えていると……
「そうだ!せっかくですし、テレビでもつけませんか?」
「そうですね」
この時間はニュース番組が中心っていった所だろう。
テレビなんて見るとしてもせいぜいバラエティか、ドラマを見るぐらいだ。
テレビでニュースなんて全然見ていないが、
「早速つけますね!」
アリスはテレビをつけた。
「おはようございます。朝のニュースをお送りします」
早速始まったな。
「まず最初のニュースです。国内の就職していない人が、現在200万人となりました。働かない人は全世代とも増加しており、特に20代が最も大きく増えている模様です」
「すごいですよね~200万人ですよ200万人!」
「俺が言うのもなんですけど、このまま増えちゃったら仕事とか成り立たなくなるかもしれないですね」
どの口が言ってるんだどの口が。
「続いてのニュースです。昨日のお昼ごろ、またしてもビルからの飛び降り自殺が起きました。最近どの地域においても飛び降り自殺が多発しており、既に過去最多を超えるペースとなっております。これを受け政府は……働き方改革を行うよう強く呼びかける方針だとのことです」
「どんな事情があっても自殺を選ぶなんて悲しいですよね……」
「……そうですね」
さすが死因が自殺ランキングが1位の国。
だが色んな楽しいことが探せば見つかる時代、自殺なんてあまりにももったいなさすぎる。
と思ったけど、このハローニートがなかったら俺もどうなっていたかはわからない。
「続いてのニュースです。30代の男性が母親を包丁で刺して殺害しました。これを受け警察はその男を逮捕しました 逮捕されたのは丸山仁まるやまひとし容疑者で……」
その後も淡々とニュースを見ていった。
「以上でニュースを終わります。それでは皆さん今日も頑張りましょう!」
「それで、今日は何か予定があるのですか?」
「特にないですね……いつも通りパソコンをして過ごそうかなと」
「そうですか……たまには外に出た方がいいですよ」
「すみません」
「では私は一旦ここを離れますね。昼食は既に用意ができていますので」
「わかりました」
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