第13話 俺ニート、初めてお金を稼ぐ
朝が来た。今日はなんだかいつもよりもぐっすり寝れた気がする。
きっと体を使って敵と戦ったからだろうか?
いつもは大体パソコンやゲーム三昧の人生を送ってきたからな。
時刻は大体10時という所だ。
「おはようございます!」
かわいい女の子の声によって、眠気が飛び活動モードへと切り替わる。
「おはようございます」
「今朝ごはんできたのでどうぞー!普通のトーストです!」
「今行きますね」
俺は早速食卓へと向かった。
「いちごとチョコ用意したんですけど、どれがいいですか?」
「ではチョコでお願いします」
早速トーストにかじりついた。
いつもとは違う新鮮な味だ。
食べ慣れているトーストでも味って変わるのだな。
「いつもと違う感じで美味しいです!」
「ふふっ!よくある市販のトーストにしたんですけど、あ!もしかして私の真心ですかね!」
「はははっ」
っと朝から会話が弾んでいく。
こんなににぎやかな朝食、とても久しぶりな気がした。
「あ!そうそう、淳一さん昨日はお疲れ様でした」
「いえいえ、最初緊張しましたけど、無事勝てて良かったですよ」
忘れ物の件は黙っておこう。レディーにしつこくするのは良くない。
「それで、約束通り勝てたので、今から報酬を渡しますね」
「おお!もう貰えるのですね」
「はい!基本的に勝つと翌日の朝に報酬がもらえます。厳密には私が夜に取りに行ってるのですが……」
「なるほど……」
てっきり給料日みたいにまとめて支払われると思ったんだがな。
親には日雇いのバイトって言い訳するか、お金を隠しておかないとな。
「それではどうぞ!16800ソウルコインです!」
「やったー……ってお金じゃないんですか?」
「はい、16800ソウルコインです」
「てっきりお金がもらえるものだと思ってましたが……」
「ホームページにも書いてありますよ~ってか確認したじゃないですか!」
「ああ!」
そうだった……確かにそう書いてあったな。
ポイントがもらえる……と。
「ではソウルコインを現金にしたいです」
「わかりました。それでは今から換金しますね」
やった!俺ニート、初めてお金を稼いだぞ!
これで好きなものが買えるな!
「お待たせしました!どうぞ!現金13440円です」
「やった……って数字おかしくないですか?」
「いえ、ソウルコインから現金にするには手数料がかかるので……」
「そんなばかな!そんな話は聞いてませんよ!」
「いえ、ホームページに書かれていますから!」
「そんなはずは!」
俺はすかさず、ホームページをチェックした。何度も確認しているし、そんなもの見落とすわけが……
(…………)
しっかりと書いてあった。騙すように小さく書いてあるとかではなく。
ちゃんと普通の大きさで書いてあったのだ。
「すみません……ちゃんと書いてありました」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます