第12話 俺ニート、改めて初戦に挑む

「それでアリスさん、この銃なんですけど撃てないんですよ。一体どうすれば攻撃できるんですか?」




「あぁ!それはですね。私がいないと撃てないようになっています。正確にはパートナーですね。どっちにしろ私のことなんですけど」




「そうなんですね」




「ちなみに剣を選んだ人も、パートナーがいないと剣を振ろうとしても腕が動かなくなります」




「なるほど……あともう1つあって、なぜ相手は攻撃してこなかったんでしょうか?」




「簡単です。フェアプレイを大切にしておりまして、両方のプレイヤーとパートナーが揃うまでは一切の攻撃ができないようになっています」




「なるほど……それなら安心ですね」




お互いに卑怯な方法で勝つことはできないということだな。


平等と言えば平等だが、強い相手に当たったら負けるなこれ。




「そろそろ相手が来ます!相手の攻撃を避けつつ、銃を撃ってください!」




「はい!」




俺は銃を相手に向けた。


すると相手は即座に銃を発砲した!




「危ない!」




俺はとっさに左に避けた。奇跡的に銃は当たらなかった。


すかさず俺は走った。相手も追いかけてくる。


撃たれないように、不規則に左右に動きながら走る。




(今だ!)




俺はすぐに振り返り、銃を一発撃った!


ヒット!相手の心臓付近に命中した!




「ぐわあああああああああああああああああああああああ」




けたたましい発狂と共に、相手は血を流して倒れた。




「やりましたね!勝利ですよ!」




「……めっちゃ怖かったです。あと異空間とはいえ血を流す演出はちょっとグロいですよ」




「ひとまず帰りましょう!話の続きはそこでします!」




そういった直後、異空間から現実へと引き戻された。




「おかえりなさい!淳一さんの自宅です」




「むむっ!本当ですね」




「早速話の続きを……って思いましたが、ひとまず今日はやめておきます。明日話しますね」




「別に今日でもいいですが……」




「私は一旦用事があるので、すみません」




用事……?いったい何のことだろうか?




「わかりました」




「それでは淳一さん、おやすみなさい!」




そう言うと、アリスは再び玄関から出ていってしまった。




(…………)




ひとまず初戦が終わった。


実際に戦ってみるととても怖かった。だが何とか勝つことができた。


しかし……俺が勝ったことで、相手は負けた。


つまり相手は今頃何らかのペナルティを受けているということになる。




……まあこれ以上考えても仕方ない。


今日勝つことができた。それだけを考えよう。




俺はパソコンを少々やってから寝ることにした。

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