第10話 俺ニート、初戦前の最終準備をする

「はい!なので親から見ると、きちんとアルバイトしているなぁ、って見えるんです!」




「それはすごくいいですね」




あの手紙には働けとは書いてあったが、


正社員になれとは書いていない。アルバイトでも十分通るだろう。




「すごく気持ちが晴れました。これなら夜のゲーム頑張れそうです!」




「良かったです!それでは頑張りましょうね!」




こうして話したいことが全て終わった俺は、夜に備えて余暇の時間を過ごそうとした。


するとアリスが……




「すみません。一旦用事があるので戻りますね。夜までには帰ってきますので」




「わかりました」




さすがにずっとつきっきりっていうわけにはいかないか。




「昼食用のおにぎりは握ってありますので、それを食べてもらえると幸いです」




「わかりました」




おにぎりの中身はなにかな?そう気になりながらも、まずはアリスを見送った。




(……さて)




ひとまず22時までは特に何も起こらないだろう。


その時間までしばし、趣味タイムといこうじゃないか。




俺はいつも通りなまけた姿でパソコンをする。


……そしてお昼の時間になり、作られたおにぎりを食べた。




気になるおにぎりの具は、鮭と梅干しが2つずつだった。




(正直梅干しはあまり好きではない……)




とちょっとした愚痴を吐きながらも、しっかりと完食した。


ニートだから腹が減らないだろう。と思ったら大間違いだ。


動かなくても腹が減るものである。


この俺に言ってはいけない言葉がある。


『働かざる者食うべからず』だ。




さてそんなこんなで、午後もやっぱりパソコンやらゲーム三昧。


周りから見たらくずと言われても仕方ない生活である。




時刻は18時。




「ただいまです」




アリスが帰ってきた。




「おかえりなさい。昼のおにぎりは美味しかったですよ」




「わ~ありがとうございます!丹精込めて握りましたので」




梅干しの件は黙っておこう。言うとしてもある程度関係が深まってからだな。




「今夕食作りますね。夜はカレーでいいですか?」




「はい!俺カレー好きなので大歓迎ですよ」




「良かったです!明日の朝も実質カレーで決定になりますので、気に入ってもらえなかったらちょっと落ち込んじゃうかもです」




「アリスさんの腕があれば、大丈夫ですよ」




「なるほど……!」




っといういい感じの会話をしたあと、夕食ができるまで待った。




「できましたよ~」




早速カレーができあがったようだ。




「いただきます」




味はとても美味かった。きっと何か隠し味を入れたのだろう。


具材はにんじん、玉ねぎ、じゃがいも、豚肉とオーソドックスなものが揃っている。




「ごちそうさまでした」




「はい!お粗末様でした。それじゃああとは22時を待つだけですね。このあとお風呂沸かしますので入ってくださいね!」




「ありがとうございます」




まるで新婚生活を送っているみたいだな。


その後風呂に入り、はみがきなどをして、また趣味タイムをして、


気づけば22時の5分前となっていた。




「それじゃあ行きましょうか。バトルゲートのある部屋へ」




「そうですね」




俺たちはバトルゲートのある部屋へ移動した。

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