第6話 俺ニート、自室を紹介する

「ここです」




「わーすごい!かわいいフィギュアがたくさんありますね!」




「それはまあ俺の趣味なんです……大事な物ですね」




改めて他の人に見られると恥ずかしいな!


しかも女の子に……




ちなみにフィギュアは、皆さんご察しの通り、


俺が見ているアニメの物だ。


俺はゲーム以外にアニメだって見る。ドラマも少々。




「こういうの集めるのが趣味なんですか?」




「まあそうですね。今でもたまに買ったりしています」




「あれ?でも働いていないのにお金なんて貰えるんですか?」




「恥ずかしい話、親にお願いしてお小遣いをもらっています。一応出世払いという形でOKをもらってはいるのですが……」




「なるほど……では親に感謝しないといけないですね!突然失うその前に……」




(…………)




そうだな……少しぐらいは持った方がいいよな。




「やっぱり人間誰しも大切なものってありますよね」




「それはもちろん……あると思います」




「おや!これはパソコンですか!しかも結構かっこいい!」




「これはゲーミングPCで、ゲームをするためにめちゃくちゃ性能の高い物を使っています」




「これが前に言ってた、FPSゲームをやる機種ですかね?」




「そうです。ゲーム機のと違って快適に動くんですよ」




「いいなぁ~とても羨ましいです。私もこういうPCを持ちたかったです」




俺の数少ない自慢できるポイントだからな。


ゲーミングPCのパワーはすげぇや。




「他にも色々なゲーム機があるんですね」




「はい、俺色んなゲームをするんで」




「すごいですね!もう快適な自室ですね」




「ありがとうございます」




「これで大体のチェックは終わりました。ご協力ありがとうございました」




そう言うと、アリスは自室を後にした。




「それじゃあ確認したいことは全て終わったので、帰りますね」




「わかりました」




「あと例のFPSゲームは明日から始まるので、頑張ってください!」




「そのFPSゲームのルール説明はいつするのですか?」




「それは明日お話します」




「わかりました」




電話番号を契約書に書く必要があったのはそのためだったのかな?


でも住所を書く理由がわからない……




その疑問がわからないまま、アリスは帰った。




(はぁ……疲れた……)




今日は朝から色々と急展開が多かった。


母から1週間以内に職を探せと言われ、慣れない電車とバスに乗り、


ハローニートで契約書を交わし、そしてアリスが自宅にやってくる。


今日は俺の中での歴史的な1日になりそうだ。




ひとまずやるべきことが終わった俺は、


いつも通りに過ごして、布団に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る