第4話 俺ニート、新たな日々の幕開けをする
「私の名前はアリスです。株式会社リバーサルで働いています。ハローニートの担当者もしていますけどね」
「つまりどちらでも働いているということですか?」
「基本的にリバーサル社にいるんですが、ハローニートでの担当者もたまにする感じですね。つまりあなたはラッキーボーイなんですよ!私がいるときに契約できたんですから!」
いきなりラッキーボーイとか言われたら、ちょっと照れる。
まあこのアリスが女性だった時点で、全然ラッキーだと思うけどな。
「では次は俺の名前を……俺の名前は三上淳一といいます。当たり前ですがニートです」
「まあニートじゃなかったらこんな所に来ないですからね(笑)」
ギャグが通じる相手で良かった……っと思った。
にこやかに返してくれる人に悪い人はいない。
「それじゃあ契約書へのサインももらいましたし、これでハローニートの事務所でやるべきことは終わりました。お疲れさまでした」
「はい、それでは今後もよろしくお願いします」
今日から始まる……ニートを守る戦いが!
「それじゃあ早速、2人で行きましょうか」
「……?行くってどこにですか?」
「三上さんの自宅ですよ!もちろん」
「……へ?」
急に話がわけわからなくなった。
「なぜ俺の自宅に来る必要があるのですか?」
「昨日FPSゲームで勝負する話をしたじゃないですか」
「はい」
「そのゲームを行うためには、自宅を知っておく必要があるんです。絶対に」
「FPSゲームと自宅を知ることとの、関連性がわからないのですが……」
「すみません……今は口だけで説明できる自信がないので、まずは何も言わずに承諾してもらえませんか?」
「……わかりました」
口だけで説明できないとなると……何か特別な理由があるのだろうか?
「それでは三上さんの自宅まで車で行きますので、是非乗ってください!」
「ありがとうございます」
電車とバスで来た道を、車でスイスイ進んでいく。
やっぱり車はいいなぁ。俺も免許が取れたら行ってみたい場所があるんだが、
……まあニートの俺には無理だな。
「ところで淳一さん」
「なんですか?」
「私のことどう思いますか?」
「……?」
今日はやたらわけのわからない話が多いな。
10chでは、わけのわからない書き込みを見かけることはあるが、
いざ現実で言われると軽くフリーズしてしまう。
「まあその……かわいいと思いますよ」
「ありがとうございます!それでこの質問をした理由は、守らなければならない約束があるからです」
「どんな約束ですか?」
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