第二十一話 Perspective 7/7
僕が最後に聞いたのは、『P』のささやくような、でも力強い、そんな声だった。
それから、目の前に巨大な炎が出現した。
「え……あ……」
その目の前の現実が、僕にとってはあまりにも酷だった。
『P』と『W』。2人は、不死鳥の炎に包まれたのだ。まるで抱擁されるみたいに、2人は不死鳥に抱きしめられた。
不死鳥は悠然と翼を大きく広げ、雄々しい声で一声、鳴いた。
そして、光に包まれて消えていった。
跡形もなく。
*
「──あ……あぁ……!」
僕はそれから、声を上げて泣いた。
静かな駅に、僕の声だけが響き渡る。
僕は、さらに大声で泣き続けた。
手を握り、歯を食いしばり、涙が枯れ果てるまで、思い切り泣いた。
やがて不死鳥は消え、光が、導かれるように天へと昇っていった。
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