共感

 家に帰った翌日、録画してあったアニメの「鬼滅の刃 柱稽古編」を見た。


 岩柱いわばしら悲鳴嶼ひめじまと炭治郎との会話がなぜか心に刺さる。



【岩「私は君を認める」

 炭「認められては困ります。 いつもどんな時も間違いのない道を進みたいと思ってますが先のことはわかりません。 いつだって誰かが助けてくれて俺は、結果間違わずに済んでいるだけです。 だから俺のことを簡単に認めないでください」


 岩「未来に不安があるのは誰しも同じ。君が道を間違えぬよう、これからは私も手助けしよう。 私の訓練は完了した。よくやり遂げたな」】



 これだけを読んでも読者の人達には何だかよく分からないと思うけど、俺自身がちょっと残しておきたいと思ったから、図書館でマンガ本を借りてきて書き留めておいた。




 もう1つ心に刺さったのはフェイスブックに投稿されていたもの。



【全日本選手権 エリート DNF


 今の自分がエリートカテゴリーにチャレンジする意味を自問自答しながらシーズン前半を過ごしてきました。


 実際仕上がりは60%ぐらい。


 でも、そんな状態だからこそチャレンジしようと最後は腹をくくれました。


 たぶん、ホビーでロードレースをやっている方は同様のジレンマを抱えているのではないでしょうか。


「いい歳して。」、「趣味なんだから。」、「怪我でもしたらどうするの。」

 周囲の声、自分自身の心のストッパー・・・”やらない理由”は無限に出てきます。

 でも、それでも自分の本当の欲求に正直になって”やる理由”を見いだせると人生はもっと豊かになるはず。

(一緒にがんばる仲間、応援してくれる人、自分のことを認めてくれる人の存在)


 そんなジレンマを抱える、特に身近にいるクラブメンバーの糧になりたい、そういう気持ちで挑んできました。


 1周目の逃げはそんな僕の想いを形にしたささやかなチャレンジ。


 来年はもっとたくさんの仲間と全日本じゃなくてもそれぞれの目標に共にチャレンジしたい。】



 そのままコピー、許してね。


 現場で観た1人逃げに出たKさんの姿が思い浮かぶ。しっかりとした存在感があった。

 Kさんはプロチームに所属していた10年位前に合宿に来てくれた事がある。みんな「Kさん」って呼んでいるから「Kさん」だ。

 家の初代愛犬のリップが何故かやたらと懐いていた選手。


 引退して、自転車ショップのスタッフになって、彼が中心となってショップのクラブチームやホビーレーサーを盛り上げてきたっていうイメージ。

 もうプロ選手ではないけれど、数年前からホビーレーサーとして自らまた真剣にレースに取り組んでいる(んだと思う)。



「チャレンジする意味」

 それが今の俺に凄く刺さった。

「自分の本当の欲求に正直になって」

 ここ、凄く大切だと思う。

 俺もずっと思ってきた。

 大好きな自転車に関しては、で動くんじゃなくてで動きたい。自分の心に正直に関わっていきたいって。


 昔と同じようには出来ないとか、プロのようには出来ないとか、多くの人達が色んなジレンマを抱えつつ、好きな事に挑み続ける事。

 苦しくもあり、尊い事、幸せな事だと共感できる。



 俺、このレースを走ったからこそ色々と感じられる事があったと思う。


 もう何回も自転車レースは「ムリかな」って思う事があったけれど、いつだって誰かが助けてくれて俺は、結果こうしてレースを走る事が出来ている。


 炭治郎の言葉とKさんの言葉が響いたのは、今の俺の心を表した言葉だったからかもしれない。

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