第8の章「感情と、七号と、終わりの始まり」 4
***
あれからとても調子がいい。大気に混じる魔力を吸い込み、毎朝洗面台の前に立つと鏡に
感情を隠すのがうまかった七号を選んだのは理由があった。タイミングよく、別の身体へ移動しようとしていた時だったことも、八号がちょうど入った時期だったことで油断をしていたことが挙げられる。同性が入り、尚且つ一号の恋人ということで七号は相当そわそわしていたようだ。あまりそのあたりはわからないし、七号の記憶や感情を探ることはできない。自分が
そして、機会が巡って来た。
その日は大雨だった。虚獣が出たと連絡をしてきたのは二号。そして、添付された場所は小さな無人島だった。内心愉しくて仕方がなかったが、七号の肉体はちっとも笑わない。まあいい。
そして一号は八号とともに現着し、二号と三号も一緒に到着する。
ちらりと見ると、八号が一号の頭に上着を被せていたが、迷惑そうな顔をされていた。なぜ、という疑問が強烈に浮かぶ。これは七号だった時のものだ。雨に打たれて、全員が濡れた髪などを
「っ」
さすがと言うべきだろう。こちらの攻撃を一号が振り向きざまに防いだ。一瞬で瞳に殺気が
完全に抜け出すと、途端に壊れた人形のように七号の肉体がその場に力なくぐにゃりと倒れる。急激に受け止めていた力が抜けたため、一号がぎょっとしてバランスを崩し前のめりになった。
振り向きざまに、こちらに倒れ込んでくる一号目掛けて一撃を放つ。一号がその攻撃線上にいる仲間を
無駄なのだが。
雨の中――――ここは操者たちの墓場となった。
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