第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十連作部門『想い恋う』
小鳥遊
『想い恋う』
その指を 絡めただけで 心まで
抱きすくめられ 言葉をさがす
あなたから ほのかに匂う
首筋に からむ私を 払いのけ
シャツの白襟 あなたを隠す
天気予報 夜まで経過 確認し
今日のデートの 終わりの速さ
水滴が 滴り落ちる 感情が
あなたの指に かじりつくも
正しいと 常に言わされ 続けてた
親の言葉が 喉に刺さる骨
指先が 触れただけで 想い恋う
また触れたいと なんどもなんども
あの人の 足跡踏みし 追いかけた
雪の夕日と 私の心
残り香を ほのかに感じ 夜を思う
昨夜の乱れ 朝の光に
あの人が 握った傘の 持ち手触れ
ぬくもり探し 手をつなぐ指
心配をしているのは 私だけ
あなたの腕に 爪をたてる
宵待の 静かな音を 待ちわびて
あきれるほどに 泳ぎし金魚
柔らかい 笑顔の人に 会えた日は
冬のひまわり 見つけたように
見つめてる私の視線 気づいても
あの子の腰に 手を回すひと
日に一度 ポストを覗く習慣が
君亡き後も続く希望に
なに不自由 なく暮らしても 常につね
ぬくもり求め さまよう落ち葉
離れても 同じ夕日 見る君と
小指つながる 飛行機雲に
いたずらに その手に触れてみたけれど
思いのほか 花ひらかずに
幸せは この手の上に あるけれど
心のうちは 月より遠く
水面に 静かに触れるその指で
わたしの心 惑わす君が
第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十連作部門『想い恋う』 小鳥遊 @ritsu25
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