第20話 安価な、コントローラー
セカイは携帯端末からのアクセスで、提供されるサービスのほとんどを利用できる。
自身のセカイを創造、運営し、外へ公開することで、他者の仮想身体による訪問、あるいは観覧のみを可能としている。ユーザが所有できるセカイの仮想空間も、仮想身体も無料で提供される。ユーザが登録する際、必ず、仮想空間も、仮想身体を所有する必要はなかった。ただ、観覧するのみの、ユーザの方が多い。その場合、ユーザは配信動画を鑑賞している状況に近い。コメントや、文章を投稿できる機能もある。 これまでのソーシャルネットワークサービスで提供された仕組みは、すべて踏襲されている。企業案件も展開可能だった。ネットワークゲームも対戦、および、共闘できる。
それらは、他者の同系サービスでも行われている。これまでのサービスを踏まえた上で、仮想空間を持てる。ひとり、ひとセカイだった。セカイ自体は、新しいサービスではなかった。
ユーザがセカイをはじめるには、家庭用端末、または携帯用端末で、基本情報を登録すれば、その日のうちに、一時間以内に開始できる。
基本操作自体はそれらの環境でもある程度は快適に扱えた。オート操作機能、および操作予測補助システムが優れているため、初心者でも困ることは少ない。だが、しばらく使用していると、動きに物足りなさを感じ始める者は少なくない。
その際、ユーザ同士で推奨されるスタイルがある。イヤホンマイクと、ありふれたゲームコントローラーだった。どれも安価な商品でかまわない。
携帯端末の場合は、端末の画面の両端に、市販のゲームコントローラーをつけて、セカイを操作する者が多い。中にはワイヤレスマウスを使用する者もいる。だが、既存のゲームエディタをもとに造られたセカイのゆえ、完全なゲームコントローラーでの操作の方が、ユーザの理想的な挙動をセカイ内に反映できる。
セカイに慣れ始めたユーザの大半は、セカイへの濃厚なアクセルを手にするため、ゲームコントローラーへと流れついていた。
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