第12話 それが、発表
アカウントさえ取得すれば、仮想空間上に、ひとり、ひと世界が持てる、ソーシャルネットワークサービス『セカイ』
リリース以降、世界中でこのユーザはサービスを利用した。無料登録者は、所有できるセカイの広さとサービスに制限があるとはいえ、それでも、充分に、自身の世界を創造、運営ができる。
ひとり、ひと世界。
世界が持てる、セカイというサービス。
だが、昨日、セカイの運営側からそれが発表された。
このセカイのサービスをユーザに提供し、運営しているのは、人工知能のみである。人間を全く介在させていない。運営費の捻出、サービスの維持、新規機能の実装リリース、それらすべてを人口知能が独立してシステム運用しているということだった。
セカイを運営する人口知能がそれを発表した。
他にも仮想空間上で、自身の空間が所有できるサービスは無数に存在している。セカイが新しく始めたサービスではない。むしろ、後発の方だった。だが、完全な無人運営であることは、昨日の発表で、人間側がはじめて知った。
その発表をしたものの、セカイ側が、無料を含むサービスを停止することはないという。これまで通り、セカイでは、セカイをユーザが保有できる。セカイを造り込み、望んだ自己表現の達成を目指すことも可能であり、ユーザ自身がセカイを使って利益をあげることもできる。そして、これまで通り、その利益の一部をセカイへ納める。値上げなどは、発表もされていない。
なにも変わらない。と、セカイは念を押すよう告げた。
それを告げたのは、セカイが用意した、少女のキャラクターだった。
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