第10話 一年と五か月、経過
ある夜、とある町の中に聳えた、つくりかけのまま十七年間放置された高層ビルの頂上で、花火を材料に作成された手製の爆弾もどきが発火した。
警察は捜査を行ったものの、ビルに花火をしかけた犯人はみつからなかった。だが、捜査の過程で、周辺地域に設置されていた監視カメラを調べたところ、その夜に、自動販売機を破壊した人物の映像が発見された。そして、数日前に、自動販売機を壊されたと被害届が出ていた。
しかも、捜査にあたった警察関係者の中に、破壊した人物が、とある動画配信者だということを知っていた。それが、犯人逮捕につながった。むろん、ビルの花火についても、追及したが、証拠はなく、追及されたのは、自動販売機の器物破損のみだった。
けっきょく、花火の犯人はみつかっていないままだった。
そして、もう、町の人間以外、誰も覚えていない事件から、一年と五か月が経過した。
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