第13話 コンベンションに参加する

 SFのイベントの一形態にコンベンションというものがあります。集会、会議を意味します。会場をひとつ借り切ってSFのパネルディスカッションやトークショーを行います。

 SF史で有名なのは東京、目黒で開かれたMEGCONです。日本で初のSFのコンベンションであり、どれくらいの規模で行われるかなどの事前情報は一切なし。ある意味挑戦的な企画でした。主催は柴野拓美さんというSF同人誌宇宙塵の発起人です。


 開会の際に、柴野さんが放った一言である「お隣の人の顔をよく見て下さい。みんなSFが好きなんです」は地方に散らばるSFファンの心を射止めたと言われていて、伝説的な一言でした。


 SFの業界ではSF大会というコンベンションイベントが行われています。これはいちばん大きい規模で1000人程度の集まりでSFファンが集まり、SFの話のみならずいろいろなお話が聞けるイベントになっています。だいたいが大会のある土地のホテルや市民センターを借りた形になるようです。現在ではSFのコミュニティイベントとしても機能していて、高齢化の影響もあってか縮小傾向にあるそうです。


 私にとっていちばん身近なSFコンベンションは京都SFフェスティバルでした。オンライン開催という参加しやすさもあってウェブに張り付いていたことを思い出します。京都SFフェスティバルが完全オンラインになったのはここ数年のことで、もともとは旅館を借り切ったオフラインイベントでした。


 SF大会に話を戻せば、主催者は毎回変わります。日本SFファングループ連合会議に承認された団体がSF大会を行えるようです。

 SFのイベントと言えばコンベンション形式という話をしましたが、個人で行うSFファン活動と言えば何かと言えば古くからある同人誌でしょうね。

 同人誌活動をしてSFファンを名乗るというのが順当な流れのようですが、私はSFウェブマガジンに投稿を始めたのがきっかけです。そこで腕を磨き、自分でもSF短編集を頒布できるくらいにはなりました。


 現在では小説の発行部数は減少傾向にありますが、活況を呈しているのは同人誌の世界です。文学フリマといった同人イベント、コミティアやコミケといったイベントが後押しになっています。作家さんを訪ねつつ小さなコミュニティを作る経験は得難いものです。

 いっぽうでSF大会、じつは来年は東京開催らしいのです。SFファンのみならずSFに興味のある学生や社会人にはもってこいのイベントでしょう。

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