第12話 入口はどこに。
日本のSFというジャンルは1959年のSFマガジン創刊時に生まれたと言われます。当時のラインナップは毎号10本ほどの翻訳作品が載るなんてケースもあったらしいです。
かれこれ70年のあいだで出版された海外SFもめちゃくちゃあって2000番を超えたのがついこの前です。
SFを読み始めたい方はどのへんから読んだらいいのかという問いには、まず出版形態が紙で維持されている本を狙うのがおすすめな気がします。
オールタイムベストと言われる作品なんかは紙出版のかたちが維持されているので、とにかく紙で売っているSFはハズレがほとんどないと言えます。映画化している「デューン 砂の惑星」や「あなたの人生の物語」「夏への扉」「鋼鉄都市」などは紙で読めるのでハズレがないはずです。すこし難しいのは「ソラリス」「幼年期の終わり」あたりでしょうか。ただSFに馴染めた経験をお持ちなら、この二つから読んでみてもいいでしょう。また「幼年期の終わり」に関しては光文社古典新訳文庫という選択肢もあります。
日本SFでは第一世代の影響力がいちばんです。第一世代というのは星新一や小松左京、筒井康隆などで、いまでもこのへんをまず薦めます。さいきん、とはいえ大分古典になりましたが、伊藤計劃などもおすすめでしょう。伊藤計劃は生涯三つの単行本しか出していないので手に取りやすいのと、概観しやすいという利点があります。それに読者数が多いので知り合いと同じ話ができるので間違いないはずです。また、純文学系なら円城塔を推します。
このふたりを推すのは、平成の書き手というと新人ではこのあたりが業界でも知られているし、二枚看板だからですね。
もちろん、ライトノベル系の作家から入るのもSFとしてはアリです。カクヨムで読めた「涼宮ハルヒの憂鬱」は平成のSFではいちばん知名度があると思いますし、「BEATLESS」はジャンルファンからも愛されている作品です。
ではカクヨムでは何をおすすめするかという点も考えてみます。
カクヨムなら日本SF大賞の候補作となったこともある「横浜駅SF」をとりあえず選ぶと思います。また、書籍化されている作品なら「ひとりぼっちのソユーズ」を選びます。どちらもカクヨム創世記のSF作品ですから大きく外れることはないかと考えます。
今回はSFの入り口を考えてみました。
ほかにも何をSFとするのか問題がありますし、たくさんのSFに触れて心の地図を広げてみてください。
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