第3話 それぞれの恋愛観

T 『みんな、今は何も聞くな。とりあえずここを早く出よう。』


Tは涙を流して言った。他の女子も震えて泣いている。

Tはメンバーの中でも一際身体がデカく、ヤンチャな奴だったのだが、そいつが涙を流しいる。

尋常では無い姿に皆無言で従った。

皆んなで近くのビーチに移動した。


Tによると、私が肩車されて上を見ていた時天井の穴から女の人の顔が出てきて私を掴もうとしていたらしい。


背筋に寒いものが走る。下に残ったメンバー4人共見たらしい。

私は見えなくてつくづく良かったと思う。

そんな物見えたら一生トラウマになるに違いない…


なんだかんだ落ち着いてきた私たちメンバーは帰る事にした……



それから何日して待望の夏休みがやって来た!

と言ってもお金の無い貧乏学生たちは毎日の様にロータリーに集まった。

日中暑い時は団地に住む友達の家でゴロゴロする事もしばしば…


そんな最中1人の友人が提案した。


N 『夏休み何だし、ロータリーメンバー全員で一泊のビーチパーリーやらないか?』


私 『で、でも…小遣いないし…』


N『大丈夫!うちの親父さ、建築関係の仕事してるんだよ。アルバイト頼んでみる!』


私 『まじで!でも俺、バイトした事無いけど大丈夫かな?』


N 『誰でも出来る雑用があるはずだよ!誰だって最初はやったことないんだから。』


と言う訳で友達の親父さんのとこで4日ほどバイトする事になった。

1日働いて5000円もらえるとの事。


私 『5、5000円も貰えるのか?いやっほー!』


今考えると世間知らずだ。その当時でも7000〜8000円貰えたはずなんだけど…


まぁ、今思うと大した仕事出来ないし友達の親父さんだしで腹は立たない。


仕事は朝8:00から4:30までだ。建築現場の後片付けがメインの仕事だったが、暑いしパイプを運んだり、足場材の片付けなどなど…正直1日でへこたれそうなくらいキツかった。


友達と一緒だったし、ビーチパーリーの楽しみで頑張れた。

もし、1人だったら直ぐに逃げ出していたに違いない。


何とか頑張り、軍資金が2人合わせて4万円溜まった!十分皆んなで遊べる額だ。


N 『実はさ、俺、Hの事が好きなんだよなぁ。』


Hとは隣町から来るロータリーメンバーの中でも1番の美人だ。

私も可愛いと思いながらも、自分自身フツメン以下なので恋愛など無理だと諦めていた。


私 『そうなんだ!なおさらビーチパーリー盛り上げないとな! 上手い事告る事できたら良いな! 応援するよ。』


Nが上手くいけば本当に良いなと感じていた。 何故なら、Nも私と似たり寄ったりだからだ。


Nが上手く行けば自分も自信がつくと思っていた。


まぁ、そもそも、そこまで恋愛したいとは余り思っていなかったのも事実だが…


まぁ、そんなこんなでビーチパーリーを計画し皆の都合の良い日に行く事になった。

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