第2話 VF
1時間かけて到着した。
VFダンスクラブ…沖縄では有名な心霊スポットだ。 米軍施設ではあるが、ベースキャンプ外にある廃墟なので誰でも入れる状態だ。
元々は退役軍人のための福利厚生施設でレストラン、バー、ちょっとしたカジノとダンスホールのある娯楽施設だったらしい。
その昔、火災があり何人かお亡くなりになったそうだ。
その後ベトナム戦争で戦死した人々が本国に送られるまでの間遺体安置所としても使われていたと言う曰く付きの廃墟だ。
当時の噂では、2階の真ん中の窓に女性の霊を目撃すると言う噂があった。
VFの入り口は鋼鉄製の大きな門があるが、常に開いている。
約3メートルの道幅が10メートルほど続いた後、敷地の中央にドーンっとVFの建物が聳え立っている。
建物の前は50〜60台は止まれそうな広々とした駐車場になっている。
以外とデートスポットになっていて既にカップルの車が離れた所に1台ずつ駐車している。
そこに私達原付荷ケツ組4台はブンブンと音を立てながら進入した。
うるさいのが来たとばかりに、1台は出て行ってしまった。(申し訳ない)
周りに灯りが何もないお陰で月明かりだけでもかなり明るい。
建物は2階建で、1階のフロアーがダンホールになっているのが薄っすら見て取れる。
私『よし!皆んな中に入って探検しようぜ!』
女子達 『無理〜怖いから絶対入らない!』
私 『えっ⁉️まじかよ。』
結局、男子1人以外の3人で行く事になった。
もう1人は霊感があるらしく、既に1階から2階に動く影を見たとかで怖がって入らなかった。
中に入るとお決まりのスプレーの落書きやら、ガラスの破片やら、ゴミやらで足元が悪い。
1階のフロアーをそこそこに2階に上がって行った。
2階に上がると洋式の建物だけに天井がやたら高く広々とした開放感がある。
天井までやく3メートルは超えている感じだ。
天井自体、学校の天井の様な石膏ボードで出来ていて所々穴が開いている。
廊下は赤いカーペットが敷き詰められていて当時としては、高級感溢れるようなイメージを漂わせていた。
駐車場に面している廊下は月明かりが差し込み良い感じてあかるい。
問題は廊下中央の窓あたりに女性の霊が立っていると言う。
廊下の端の窓から下の様子をこっそりと見る。残りの5人達は横一列に並び体育座りして2階の真ん中の窓を見ていた。
私 『見られない様にしゃがんで、中央の窓まで行って下にいる奴ら脅かそうぜ!』
残り2人も面白いそうと3人しゃがんで中央の窓まで行く…
私 『せーので立ち上がって脅かそう!』
私 『せーの!』
私の合図で3人立ち上がり奇声を発した!
下の女子達はぎゃー!と悲鳴を上げた!
私 『驚いているよ!笑』
すると何となく天井が気になる。見ると大きく穴が開いている。
私 『Kよ、肩車であの天井の穴覗けるかな?』
K 『ずいぶん高そうだけど…良いよ俺の肩に乗れよ!』
私 『せんきゅー!』
肩車をしてもらったが、それでも届かない。その時、下の連中が騒ぎ出した。
T 『おーい!やめろー!早く、早く戻ってこーい!』
霊感のあるTが焦った感じで騒いでいる。
私達は何かあったのかと思い、急いでみんなの元へ走っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます