ロストフィールド侵攻編

第46話:ロストフィールド①


誰も越えたことのない領域。

巨大な軍事力を持つ国家でさえ、その領域を越えることはなく、そこはやがてロストフィールドと呼ばれるようになる。

世界を二分する大勢力の激突の後、デスゲーム世界大戦での優勢を勝ち取るため、そのロストフィールドに眠る古代技術を巡り、火種は大きくなっていく。



 アーキバスの所有する基地にて、エクシアは壇上に立ち、後ろのモニターを操作しながらしゃべり始めた。


「アーキバス統括部門エクシアよ。貴方達にはこれからロストフィールドでの戦いに備えて、基礎知識の説明を行うわ」


 モニターに世界地図が投影され、色分けされた二つの国が映し出される。


◆組織◆

【アーキバス帝国:管理国家】

・カラーは紫

・バランスの良さを目指した国家。与えられた役割に適したカリキュラムと、高等洗脳教育によって、高い能力と国家への忠誠がある。


・三大欲求を満たし、規則正しい生活と適度なストレス、仮想敵による組織内の団結、健康的な活動を重視する。


・過去にロイヤルダークソサエティが行っていた非人道的な実験を接収して、『下級市民』を対象にさらなる飛躍を目指して実験を行っている。


・統括、軍事、医療、治安、外交、食糧、教育、運送、エネルギー、研究、実験、開発などがある。


・色によって階級を決めている。基本は中級市民である『白』。だがアーキバスへの貢献度に応じて変化する。利益をもたらせば上昇し、損害をもたらすと減少する。性格や態度なども考慮の対象であり、バランスが良く高水準であることが求められる。


貢献・性能・性格が監査の対象。

紫:上級市民・特権が与えられる

白:中級市民・標準的な権利と義務がある。

黒:下級市民・権利が剥奪され、資源てして扱われる。


【世界封鎖機構:魔導ゴーレムを扱い、遺物を対象として封印する技術者集団】

・カラーは黒

・世界各地に眠る危険な遺物の回収、封印、破壊が任務。

・魔導ゴーレム、有人魔導ゴーレム、指揮官、最上位頭脳の四種類。

・名前+階級がつけられている(ネフェルト少佐)


【神聖防衛王国:でかい。旧人類が大半】

・カラーは蒼。

・鉱石を由来とする超能力者が支配する。

・ロイヤルダークソサエティが支援する。

・人類史上主義で人類以外全てを敵とすることで団結して、他の高知能生命体の根絶を目指している。

・亜人やモンスターを改良した生物兵器を使用する。


【聖杯連盟:人間亜人、主義主張問わず受け入れる。上位者を目指す】

・イメージカラーは赤。

・お金大好き。

・ワンオフクオリティーの芸術的だが、量産できないアーティファクトウォポンを使用する。

・小さな集まりだが、世界各地に存在して、仲間を召喚する。



「この四つの組織がロストフィールドでは対決することになるわ。アーキバスは世界封鎖機構と同盟を結んでいる。神聖防衛王国と、聖杯連盟はそれぞれ敵対しているわね」


◆兵器◆

【アーキバス】

『魔導兵装ゴーレムギア』

・全身鎧の高い防御力、直感的な飛行能力、高い強靭度がある。魔力がない空間や、高高度、水中などでも安定した活動を可能とする。

・汎用性が高く、バランスが良い。

・現在は第三世代まで存在している。


・第一世代:基礎防御、飛行、強靭

最初の機体として標準的な性能が揃っている。


・第二世代:基礎防御、プライマルアーマー、飛行(第二世代

プライマルアーマーによって、あらゆる攻撃や、多様な耐性を得る。プライマルアーマーの搭載によって強靭はオミットされた。


・第三世代:基礎防御、プライマルアーマー、飛行、魔力弾、魔力ブレード。

本人の魔力を使用することで即応性の高い魔力弾と魔力ブレードの展開を可能とした。第二世代より高い攻撃力、防御力、機動性を確保した。



【世界封鎖機構】

『魔導ゴーレム(無人)』

・単一の動きしかできないが安価で大量生産できる。


『上級魔導ゴーレム(無人)』

・複雑な動きが可能。全体的な能力も大きくなっている。


『有人魔導ゴーレム』

・指揮官機。防御力と戦域通信を重視して、無人魔導ゴーレムを率いて戦うことを旨としている。



【神聖防衛王国】

『デバイス』

・攻撃魔法、防御魔法、探査魔法、飛行魔法をデバイスを通して使用する。

・大きさは片手に収まる程度で、片手が塞がるデメリットがある。


『超能力』

・個人的な資質に頼った特化能力。特異体質でもある。鉱石を由来とする名前がつけられ、騎士団の隊長格に任命されている。


【聖杯連盟】

・アーティファクトウェポンと呼ばれる芸術的な兵器を使用する。

・詳細は不明。



「続いて、この世界に存在する種族について」


◆種族◆

『上位者』

・一人で完結することが多い。

・種族値700


『超越者』

・特殊な経験をして生存したことで、新しい能力に目覚めた人間。

・現実改変者や、超能力者が該当する。

・種族値600


『人間』

・スタンダードな生命体。普通の人間。バランスが良くて数が多い。

・種族値500


『亜人』

・エルフ、ドワーフ、犬人、猫人など突き抜けた長所と、明確な短所がある。

・人間からの派生した存在。

・種族値400


『モンスター』

・生命を奪うことに忠実な存在。

・捕食されるとそれを養分として数が増えていく。

・高濃度魔力に被曝した際に生まれる。

・種族値:700〜1



「種族の才能を数値化した際に使用される種族値。これの上限を突破するのがデスゲームである命を奪う行為。だからこそ各国はデスゲームを危険視して、軍備増強路線へ舵を切った」


◆上位者の敷く三つの世界法則◆

『黄金輪廻(輪廻転生)』

・産まれ、生きて、滅び、そして次の世代へ託す継続の光。

・ラスティが選ぶ人の想いを信じて、繋いでいく王道の法則。


『昏い魂(不老不死)』

・死なず、老いず、生まれた時点で完成している。故にただ一つの個。

・現在の上位者であるアスラクラインが敷くルール。

・命を奪い合い、己を強化するデスゲーム。


『滅びの火(世界の焼滅)』

・世界を憎んだ者達が、外なる神と共鳴して呼び寄せた破壊の炎。

・全ての消え去ることが目的である終わりの呪い。



「現在の上位者が敷いている『昏い魂』では、我々は幸せになれない。だからこそ、その座から引きずり落として、ノブリス・オブリージュを掲げるラスティを、上位者の座に押し上げる。それが、今回のロストフィールド探索における最終目的である」



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