第17話 鮫島事件
皆さんは鮫島事件をご存じでしょうか。この事件の真相を知ってはならず、探ってもならないと言われています。真相に近寄ることは不幸に繋がると、死を覚悟しなければならないそうです……という話。念のため言っておきますが鮫島事件には中身がありません。そういう謎の怖い事件がある……という話なのです。その事実を知るまで、ネットで詳しく調べようとしたのは僕だけではないはず。はず! はずかちい!
鮫島事件は某掲示板から広まったと言われています。そのため、洒落怖のひとつみたいに紹介されたりもしますね。実際には違うのですが。あの掲示板からはたくさんの怖い話が生まれていて、集合知って凄いなあ。と思わされます。
さて、鮫島事件は中身の存在しない話です。中身が存在しないから誰もそれを知りようがない。そこへ真相を知ると恐ろしいことが起こるという話を加えることで、さも恐ろしい事件の噂が誕生するんですね。たぶん、ネットの皆さんが鮫島事件を忘れた頃に、同じような話が広まるのではないでしょうか?
内容を知ってはいけない恐ろしい話。よく似た……というより、ほぼそのまま、おそらくは鮫島事件の元ネタなんじゃないかって感じの怪談があります。この手の話が好きなら知っている方も多いでしょう。牛の首という怪談です。こっちの話も僕の好きな怪談です。まあ、やってることは鮫島事件とほぼ一緒ですからね。
牛の首とは、その内容を知るとあまりの恐ろしさに死んでしまう。だから、その内容は誰も語らないのだ。なんて言われてる怪談です。鮫島事件と同じように元から中身の用意されていない話です。中身が無いから誰もその中身を知りようがないってわけです。僕はこの事実を知るまで牛の首について詳しく知ろうと調べることになりました。鮫島事件の時と同じことしてますね……はずかーしぃ。
人は分からないものがあると、それを分かりたいと思うものです。そうでない人も居るでしょうが、多くの人は本能的に正体の分からないものが、どのような正体をしているのか分かりたいと思うのではないかと思います。それが、正しい答えでなかったとしても、ひとまず納得するための答えを求めるのではないかと思います。好奇心ってやつですね。
鮫島事件や牛の首は、こうした好奇心を利用した怪談なのでしょう。どんな話か気になる、真相を知りたい、でも知ると恐ろしいことが起こる。そんなもどかしい気持ちにさせる凄い怪談です。
凄い怪談ですが、それだけ有名な話でもあります。鮫島事件や牛の首を語るなら、相手はしっかり見極める必要があるでしょう。
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