第12話 巨頭オ

 今回は巨頭オという話について語ってみようかと思います。なかなかインパクトのある話でして、短いながら妙に記憶に残るんですよね。僕もよく憶えていて好きな怪異です。


 おおまかに説明するとこんな話です。ある男性が昔に訪れた田舎の宿の事を思いだし、久しぶりに行ってみようと車を走らせる。けれど、彼は道に迷ってしまい、そのうち山中の道で、巨頭オと書かれた看板を発見。なんだろうかと思っていると異様に頭が大きく不気味な何かが草むらから出てきた。何体も。急いで車を走らせて逃げたけど、あれはなんだったのだろう。という感じです。謎の存在に追われるなんて、考えただけでゾッとします。怖いですねえ。


 また、この話から派生したと思われるトウキョ様なんて話もあります。こちらは屋根裏からの音を調べてみると、屋根裏で異様に頭が大きく髪の長い何かを発見してしまうという感じの話です。こちらも面白い話なので、気になる方はぜひ調べてみることをおすすめします。


 さて、話を巨頭オに戻します。巨頭オとはいったいなんなのか? その正体とは? 僕、気になります!


 巨頭オに関する考察の中でよく言われるのは、オという文字は本来は別の文字だったのではないかということです。看板に書かれていたオは別の文字だったのではないでしょうか? 例えば、巨頭村っていう看板があり、村の字が一部消えた結果、オという文字になったと。こういうわけです! 巨頭村、なんだか怪異たちが住む村の名前みたいで不気味な感じがしますね。


 巨頭村とはいったい……正体を探るつもりが、謎はますます深まるばかりです。そのような怪異の村は本当に存在するのか。などと言ってみましたけど、僕はなんらかの頭が大きな獣を見た話を脚色したのではないか。と考えています。猪か何か、大きな頭をした獣を、謎の怪異に見立てた話。そんなところではないかなと思うのです。獣だったとしても山で遭遇するのは怖いですけどね。そこに不気味な看板の話を加えれば、興味深い怪談の完成というわけです! まあ、僕はそう思うって話で、個人の想像になります。


 巨頭オという怪異はネットの掲示板が発祥でして、僕が以前に話した、くねくねや、八尺様も同じようにネットの掲示板が発祥となっています。僕が思うに、怪異というものは昔から人の言葉が集まるところから生まれるものなのではないでしょうか。学校の七不思議や、ネットの掲示板、他にも色々とあります。そして、このような小説投稿サイトなんかも、怪異が生まれる場所なのです。そう思うと、わくわくしませんか? 僕はわくわくします!


 これからも、人の言葉が集まるところに怪異は生まれてくるのでしょうね。

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