第10話 くねくね

 今回のテーマは、くねくね。くねくねについて話していこうと思います。なんだか名前の響きが可愛いですね。それでいて能力はめっちゃ強力なやつです。生涯出会いたくないですねー。


 くねくねは夏頃、田舎の田んぼに出現するそうです。遠目には案山子のようにも見えますが、白色のそいつはくねくねと、風に揺れているかのように動くそうです。なんとなく、不安になりそうな動きを想起させます。僕だけでしょうか?


 くねくねが遠くに居るのを見つけた場合、あなたはすぐにでも、その場を離れるべきです。絶対に遠くに居るくねくねを、もっとよく見てみようだなんて思っては行けません。近づくなんて、もっての他です! くねくねをはっきり見てしまうなんて想像もしたくねーのです。


 くねくねをよく見て、それが何であるかを認識してしまった場合。精神に異常が起きると言われています。頭がおかしくなって、もとには戻らなくなってしまうとか。それは、ただ死ぬよりも怖いのかもしれません。


 そんなくねくねですが、熱中症が怪異として語られている存在なのではないかとも言われています。熱中症で脳にダメージをおってしまった人の話を、あれはくねくねという怪異のせいだと理由付けたと、こういうわけですね。最近、この説を聞いて、なるほど、そうかもしれないと感心させられました。


 思うに多くの怪異は、人が分からないことに対して納得するために作られたものなのでしょう。理解するとおかしくなるという、くねくね。この怪異も夏という暑い季節が産み出したものかも。熱中症と、その後遺症を理由付けて納得するために産み出されたものかもしれません。そういう考えもアリだと僕は考えます。


 僕は全ての怪異は何らかの理由をつけて正体を見破ることができると考えています。科学では証明できないものが世の中にはあるのだと、そう語る人もいますが、僕はそうは思いません。


 非常に優れた科学は魔法と区別がつかない。なんて言葉もあります。きっといつか、そうなるのだと思います。現在は超常現象と呼ばれるものも、いつかは科学的に理解されるのでしょう。そうなってほしいなと、僕は願っています。


 科学が発展するほど怪異は遠い存在になるのではありません。逆に、理解の及ぶ近い存在になっていくんじゃないでしょうか。そうして、くねくねも、その正体を科学的に見破られるはずです。


 科学的に正体を捕まれた、くねくねは、やっぱり理解した者の精神を壊してしまうのでしょうか?


 気になるけど、答えは知りたくないなあ。

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