第9話 ロイコクロリディウム

 最近、とある寄生虫をモチーフに小説を書きました。その寄生虫とはロイコクロリディウムです! 今回は気持ち悪い話をしますから、食事中などに読むのは、まずいですよ!


 ロイコクロリディウムですが、画像や動画で検索する時は注意してください! グロ注意です! 僕の好きな生き物ではあるんですけど、普通にきもい見た目をしているので、姿を確認しようという人は、まじで注意してください!


 警告はした。


 さて、この寄生虫がどのような生物かというと、カタツムリを利用する、見た目のインパクト抜群な寄生虫です。僕は最初にロイコクロリディウムを見た時はたまげました。カタツムリの触覚に緑色の太いものが、ぐにぐに動いているのです。これは、繭みたいになっているらしく、その中にはたくさんの白い卵が詰まっています。お米みたいで美味しそうな見た目をしていますが、食べることは、おすすめしません。寄生虫ですからね。


 なぜ、わざわざカタツムリの触覚なんかに寄生するのか。気になりませんか? 僕は気になりました! というわけで解説です。


 カタツムリに寄生したロイコクロリディウムは、カタツムリの体内で成長します。そうして成長した寄生虫はカタツムリの触覚へ移動するわけなのですが、これは芋虫に擬態しているそうです。なぜ芋虫なのでしょうか? それはロイコクロリディウムが、カタツムリだけでなく、さらに別の生き物をも利用しようとしているからです。僕は寄生虫の第二の寄生先を知って、自然界はよくできているなあ、と感心させられました。


 第二の寄生先とは、鳥。そう、皆さんご存じ鳥類です! ロイコクロリディウムはカタツムリに寄生し、その触覚で芋虫に擬態することで鳥にアピールをしています。食べてもらうために! 寄生虫は鳥に食べられることで、カタツムリから鳥へと宿主を変えます。鳥に食べられ、その糞として外の世界に出てくることで、遠くまで移動するのです。そうやって、活動範囲を広げます。面白いと思いませんか? 共感してもらえると嬉しいです。


 鳥の糞に混じったロイコクロリディウムの卵たちは新たなカタツムリに食べられて、再びカタツムリの体内で寄生虫が成長し、寄生虫は触覚の中で芋虫に擬態し、また鳥に食べられる。彼らは、そういうサイクルの中で生きています。本当に、自然界って上手くできてます。あまりにも上手くできていて、これはもう一種の芸術ですよ!


 一見奇妙な姿のものも、そういう姿である必要があるのでしょう。そう思うとロイコクロリディウムという存在にも、また違う印象を受けるのではないでしょうか?

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